部屋が暑い、寒い、外の音がうるさい。あるいは、昼間なのに部屋を真っ暗にして映画を思い切り楽しみたい。
そんな悩みの多くは、実は「窓」からやってきています。部屋の熱の約70%は窓から出入りするっていうデータもあるくらい。エアコンの効きが悪いのも、結露がひどいのも、たいていは窓が原因です。
でも、大掛かりなリフォームをするのはハードルが高いですよね。費用もかかるし、賃貸ならそもそも無理。
そこで選択肢になるのが「窓を塞ぐDIY」。最近はホームセンターや100円ショップに便利な材料がたくさん揃っていて、賃貸でも原状回復できる方法が確立されています。
ただ、やみくもに塞げばいいってものでもありません。やり方を間違えると、結露がひどくなってカビが生えたり、換気不足で空気が澱んだりすることも。
この記事では、初心者でも絶対に失敗しない「窓を塞ぐDIY」の具体的な方法から、素材選びのコツ、賃貸でも安心なアイデアまで、会話するような感覚でわかりやすくお伝えしていきます。
窓を塞ぐとなぜ効果があるのか
まず、窓を塞ぐとなぜ室温が安定したり、防音効果が生まれたりするのか。ここを理解しておくと、素材選びで失敗しなくなります。
窓ガラスそのものは非常に薄く、熱も音も素通りさせてしまいます。そこで、窓の内側に「空気の層」を作り、さらにその表面を覆うことで、熱の移動と音の振動を抑えるわけです。
たとえば、冬に窓ガラスのすぐ内側に気泡緩衝材(いわゆるプチプチ)を貼ると、ガラスとの間に薄い空気層ができます。空気は熱を伝えにくいので、これだけで窓からの冷気がぐっと和らぎます。音も同じ原理。空気層が振動を吸収してくれるんです。
この考え方さえ持っておけば、これから紹介する様々なDIYテクニックを、あなたの環境に合わせて自由にアレンジできますよ。
窓を塞ぐDIYに使える主な材料と特徴
ここでは、DIYでよく使われる材料を目的別に紹介します。どれもホームセンターや通販で簡単に手に入るものばかりです。
断熱パネル(スタイロフォーム)
最もスタンダードで効果が高い材料です。発泡スチロールを圧縮したようなボードで、断熱性能が非常に高いのが特徴。カッターで簡単に切れるので、窓枠にぴったりサイズを合わせられます。
厚さは20~30mmのものを選ぶのがおすすめ。表面にアルミシートが貼ってある遮熱タイプなら、夏の日差しも反射してくれるので一年中使えます。ただし、完全にピッタリはめると結露のリスクがあるので、通気を考えた施工が必要です。
プラダン(プラスチックダンボール)
中が空洞になったポリプロピレン製のボードです。スタイロフォームより薄くて強度があり、水に強い。結露が気になるキッチンや洗面所、浴室の窓に最適です。
黒色のプラダンを選べば遮光性も抜群。シアタールームを作りたい人や、夜勤明けで昼間に真っ暗にして寝たい人に重宝されています。両面テープで固定するだけの簡単施工も魅力です。
木製パネル(コンパネ・ベニヤ板)
防犯や目隠し目的でしっかり塞ぎたい場合の定番です。板状なので、ホームセンターで窓のサイズにカットしてもらえます。表面に好みの壁紙やペンキを塗れば、インテリアとしても楽しめるのがポイント。
重量があるので、固定には突っ張り棒や専用アンカーが必要です。賃貸の場合は壁に穴を開けられないので、突っ張り方式を徹底してください。
アクリル板・ポリカーボネート板
透明や半透明のプラスチック板です。採光を残したいけれど防音や断熱を強化したいという、ちょっとわがままな要望に応えてくれます。
特にポリカーボネートはガラスの約200倍の強度があり、防犯性能も期待できます。内窓をDIYで増設するイメージで、窓枠にレールを取り付けてはめ込む形が一般的です。費用は他の素材より高めですが、その価値はあります。
窓用断熱シート・フィルム
ガラス面に直接貼るタイプの手軽なアイテム。100円ショップで買える水貼りタイプの気泡緩衝材や、ドライヤーで収縮させてピンと張るフィルムタイプがあります。
遮像タイプやミラータイプなら、外からの視線カットも同時に叶います。賃貸でも安心の「貼って剥がせる」仕様のものがほとんどです。
パテ・コーキング材(エアコンダクト用)
エアコンを取り外した後に残る壁の穴、あれを放置している方はいませんか。害虫やネズミ、冷たい外気の侵入経路になります。
まず穴の中にステンレスたわしを詰め、その上から油粘土タイプのパテで蓋をするのが最も簡単で効果的な方法です。因幡電工さんの「すきま一番」シリーズなど、専用商品がホームセンターのエアコンコーナーに必ずありますよ。
賃貸でも大丈夫?原状回復の基本ルール
ここが一番気になるポイントですよね。結論から言うと、賃貸でも「跡を残さず剥がせる方法」を選べば、窓を塞ぐDIYは十分可能です。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常の生活で生じる範囲の傷や汚れは、借主が負担する必要はないとされています。つまり、両面テープの跡が残らないように養生したり、退去時に綺麗に剥がせる材料を使ったりすれば大丈夫なんです。
ただ、念のために管理会社や大家さんに事前確認するのがベター。「窓枠にテープ跡が残らない養生をした上で、断熱パネルを設置しても大丈夫ですか?」と具体的に聞くと、話がスムーズです。
壁や窓枠を守る具体的なアイテムとしては、マスキングテープや養生テープがマスト。強力な両面テープをじかに貼るのは絶対にやめましょう。
目的別!窓を塞ぐDIYのやり方とコツ
それではいよいよ実践編です。目的別に、具体的な施工のコツをお伝えします。
断熱効果を最大化したい場合
まず、窓ガラス全体に気泡緩衝材を水貼りします。霧吹きでガラスを濡らし、空気が入らないようにカードなどでスキージングするだけ。これだけでも結構違います。
その上で、スタイロフォームを窓枠の内寸より2~3mm小さめにカットしてはめ込みます。ここでピッタリサイズにしないのが結露防止のコツ。わずかな隙間が空気の通り道になって、湿気がこもるのを防いでくれるんです。
最後に、隙間風が気になるようなら、窓枠とパネルの隙間にモヘアテープや隙間テープを貼って調整します。これで冬の底冷えとはおさらばです。
スタイロフォーム 断熱部屋を真っ暗にしたい場合
遮光を最優先するなら、黒色のプラダン一択です。窓枠より5mmほど大きめにカットして、枠の外側に被せるように両面テープで固定します。この「オーバーラップ方式」が光漏れを防ぐ最大のポイント。
四隅と中央にマジックテープを貼って着脱式にすれば、日中は外して光を取り込むこともできます。どうしても隙間から漏れる光が気になる場合は、枠の周囲に隙間テープを一周貼っておくと完璧です。
プラダン 黒 厚さ外の騒音をなんとかしたい場合
防音対策は質量と気密性が肝心です。軽い素材では音は防げません。
おすすめはポリカーボネート板を内窓として設置する方法。できれば厚さ5mm以上のものを選んでください。窓枠に上下のレールを取り付け、そこに板をスライドしてはめ込みます。既存の窓との間に大きな空気層ができるので、かなりの騒音が軽減されます。
より手軽にやりたいなら、コンパネに防音シートを貼ったパネルを、突っ張り棒で押さえつける方法もあります。完全に固定しないことで、換気したい時にすぐ外せるメリットも。
ポリカーボネート 板 5mmエアコンの穴を塞ぎたい場合
これはDIYというより応急処置に近いですが、放置するよりずっとマシです。手順はシンプル。
- 穴の内部と周囲のホコリをしっかり拭き取る
- ステンレスたわしを穴のサイズに丸めて奥まで詰め込む(ここが害獣侵入防止の要)
- 油粘土タイプのパテを表面から押し込んで平らに成形する
室内側だけでなく、可能なら室外側も同様に塞いでください。パテは経年で硬化しないタイプを選ぶと、後々エアコンを再設置するときにも楽です。
すきま一番 パテ絶対に気をつけたい注意点と失敗回避術
DIYで一番多い失敗は「結露によるカビ」。窓を塞ぐとガラス面の温度が下がり、室内の湿気が冷やされて結露しやすくなります。
これを防ぐには、完全密閉を避けて「換気」をセットで考えること。具体的には、24時間換気システムの給気口を必ず開けておくこと。塞いだパネルと窓の間にわずかな隙間を設けることも重要です。
もう一つ意外な落とし穴が、突っ張り棒の落下。特に断熱パネルは見た目より軽いので、突っ張り棒のバネ圧だけで固定しようとすると、温度変化でズレて落ちてきます。対策として、滑り止めシートを棒の両端に巻いたり、窓枠にL字金具を噛ませたりする工夫をしてください。
また、結露に気づいたらすぐに拭き取る習慣も大切です。結露吸水テープをパネルの下部に貼っておけば、水滴が床に垂れるのも防げます。
窓を塞ぐDIYでよくある質問
Q. 夏の暑さ対策にも効果はありますか?
あります。アルミ蒸着タイプのスタイロフォームや、屋外用のすだれ・よしずを窓の外に設置するのも効果的です。熱が部屋に入る前に遮断できるからです。
Q. 結露がひどくなったらどうすれば?
まずは塞ぎ方を見直してください。完全密閉になっている場合は、パネルを少し小さくカットして隙間を作ってあげるだけで改善することが多いです。
Q. ペットの脱走防止に使えますか?
窓全体をポリカーボネート板で覆い、簡単に開けられないようにするのがベストです。ただし、万が一の火災時に人間も逃げられなくなるので、必ず内側から簡単に外せる構造にしてください。
Q. カーテンレールに取り付ける方法は?
カーテン用の突っ張りレールや、つっぱりポールを複数使う方法があります。軽量なプラダンなら、カーテンクリップで吊るすだけでも大丈夫です。この方法なら壁や窓枠を一切傷つけません。
まとめ:窓を塞ぐDIYで一年中快適な部屋を手に入れよう
ここまで読んでいただきありがとうございます。最後にポイントをおさらいしましょう。
まず、窓を塞ぐDIYの成功の秘訣は「目的に合った素材選び」と「換気・結露対策のセット」です。断熱したいのか、防音したいのか、暗室にしたいのか。それによってベストな素材は変わります。
そして、賃貸だからと諦める必要はありません。マスキングテープでの養生、突っ張り方式の活用、剥がせる接着剤の選択など、工夫次第で原状回復は十分可能です。
たかが窓、されど窓。ちょっとしたDIYで、あなたの部屋は驚くほど快適になります。今年の夏や冬を憂鬱に感じているなら、ぜひこの週末にでも、窓を塞ぐDIYにトライしてみてください。

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