お気に入りの椅子、座面がヘタってきたり、生地が擦り切れてきたりしていませんか。
「もう買い替えかな」と思ったその椅子、実は自分で簡単に蘇らせることができます。しかも、材料費は1脚あたり2,500円〜6,000円程度。プロに依頼すると8,000円以上かかるケースも多いので、かなりお得です。
この記事では、DIY初心者でも絶対に失敗しない椅子の張り替え方法を、道具選びから最後の仕上げまで包み隠さずお伝えします。読み終わる頃には「これなら自分にもできそう」と感じてもらえるはずです。
椅子の張り替えDIY、何から始めればいい?
まず最初に知っておいてほしいのは、すべての椅子がDIYで張り替えられるわけではないということ。作業を始める前に、あなたの椅子が張り替え可能かどうかをチェックしましょう。
張り替えできる椅子、できない椅子の見分け方
座面がネジで取り外せるタイプの椅子は、DIYの難易度がグッと下がります。座面を本体から外して作業できるので、タッカーも打ちやすく、仕上がりもきれいになります。
一方で、座面が固定されていて外せない椅子や、複雑な曲線を描く背もたれがある椅子は、初心者には少しハードルが高いかもしれません。ただ「どうしてもこの椅子を直したい」という場合は、無理に完璧を目指さず、座面だけでも張り替えると見違えるほど印象が変わります。
作業前に知っておくべき「タッカー外し」の現実
DIYサイトを見ると「簡単にできます」と書いてあることが多い椅子の張り替え。でも、実際にやってみた人の声で一番多いのが「古いタッカーを外すのが想像以上に大変」というもの。
古い針は錆びていたり、固く食い込んでいたりします。マイナスドライバーとペンチを使って地道に外していく作業になるので、軍手を用意しておくのがおすすめです。手を怪我する可能性があるのと、思いのほか力がいる作業だからです。
必要な道具と材料を揃えよう
「何を買えばいいかわからない」という声をよく聞きます。ここでは必要最小限の道具と、失敗しない材料の選び方を解説します。
必須の道具リスト
- タッカー(ホチキス):手動タイプでも作業はできますが、硬い木材だと針が途中で止まってしまうことがよくあります。そんなときは金づちで叩いて押し込む必要があるので、予算に余裕があれば電動タッカーを検討してみてください。amazonで3,000円程度から購入できます。
- マイナスドライバーとペンチ:古い針を外すときに使います。ペンチは先の細いラジオペンチがあると作業がしやすいです。
- ハサミまたはカッター:生地を切るために使います。布用のよく切れるハサミがあると、切り口がきれいに仕上がります。
- 軍手:針の除去作業で手を守るために必須です。
クッション材の選び方
ここが仕上がりの座り心地を左右する一番のポイントです。多くの初心者さんは1枚のスポンジだけで済ませようとしますが、実は2層構造にするのが長く使うコツ。
理由は簡単で、柔らかいスポンジだけだとお尻の重みで底付きしてしまい、すぐにヘタってしまうからです。
おすすめの組み合わせは、上の層に低反発ウレタンや柔らかめのスポンジ、下の層に硬めのチップウレタンやラバーウレタンを使うこと。例えばこんな感じです。
- 柔らかめが好きな人:ウレタンNo.1 + チップウレタンNo.T2
- 標準的な座り心地が好きな人:ラバーウレタンNo.R1 + チップウレタンNo.T2
- 硬めが好きな人:ラバーウレタンNo.R2 + チップウレタンNo.T2
amazonやホームセンターで手に入りますし、ソフトプレンという専門メーカーではセット販売もしているので、初めての方はそういったキットを利用するのも手です。
張り地(生地)の選び方
生地選びで失敗したくないなら、最初は薄手のファブリック素材がおすすめです。理由は、厚手の生地だと椅子の角をきれいに処理するのが難しくなるからです。
主な素材の特徴を整理すると、
- ファブリック(布):伸縮性があって初心者でも扱いやすい。保温性もあるので冬場も暖かい。ただ、飲み物をこぼすとシミになりやすいのが難点。
- ビニールレザー(PVC):水拭きできるので、小さなお子さんがいる家庭にぴったり。値段も安め。ただし通気性が悪いので、長時間座ると蒸れることも。
- ソフトレザー(PU):本革に近い高級感があって見た目は一番きれい。でも、使い続けると表面がベタベタしてきたり、剥がれてくる「加水分解」という現象が起きることがあるので、長く使いたい人にはあまり向きません。
機能面で選ぶなら、撥水加工や防汚加工がされている生地もあります。椅子生地専門店のサイトを見ると、耐摩耗性や抗菌防臭など、性能で選べるようになっているので参考になります。
いよいよ実践、張り替え作業の手順
準備が整ったら、実際の作業に移ります。焦らず一つひとつ進めていきましょう。
1. 座面を取り外す
椅子を裏返して、座面を固定しているネジを外します。ネジの場所は機種によって違いますが、四隅にあることが多いです。外したネジは絶対に無くさないよう、小皿などに入れておきましょう。
2. 古い生地とクッションを剥がす
ここが一番の力仕事です。古い生地の裏側に打ち込まれているタッカーの針を、マイナスドライバーでこじって浮かせ、ペンチで引き抜いていきます。軍手を忘れずに。
生地を剥がすと、たいていクッションがボロボロになっています。黄色く粉状になっているようなら、完全に劣化している証拠です。このクッションもきれいに取り除いてください。
3. 新しいクッションを貼る
座面のベース板のサイズに合わせて、新しいウレタンをカットします。少し大きめに切っておくと、あとで微調整ができます。
2層にする場合は、接着剤で貼り合わせます。このとき、アロンアルフアのような瞬間接着剤を使うと発熱してウレタンが溶けることがあるので、ウレタン用のスプレーのりや木工用ボンドを使うのが安全です。
4. 新しい生地を貼る
生地を座面より一回り大きく(四方5〜7cm程度の余裕を持って)カットします。この「一回り大きく」が初心者には少しわかりにくいかもしれませんが、手で握り込んで引っ張れるくらいの余裕があれば大丈夫です。
タッカーを打つ順番は、まず上下の中央、次に左右の中央を仮止めします。このとき、生地をしっかり引っ張りながらシワができないように注意しましょう。
四隅の処理が一番難しいところです。基本はギャザーを寄せて折りたたむように処理します。ここがきれいにできると仕上がりの印象が格段に良くなるので、焦らずじっくり取り組んでください。
5. 座面を本体に戻す
タッカーを打ち終わったら、余分な生地を切り取ります。最後に椅子本体に座面をネジで固定して完成です。
意外と知らないメンテナンスと長持ちのコツ
せっかく張り替えた椅子、できるだけ長くきれいに使いたいですよね。素材別のお手入れ方法を覚えておきましょう。
ファブリック素材は、定期的に掃除機でホコリを吸い取るだけでも劣化のスピードが変わります。汚れがついたら早めに固く絞った布で叩くように拭き取ってください。ゴシゴシこすると汚れが繊維の奥に入り込んでしまいます。
合皮素材は、水拭きでサッと拭けるのが魅力ですが、アルコール除菌シートは避けたほうが無難です。表面のコーティングが傷んで、そこから劣化が進む原因になります。
まとめ:椅子の張り替えDIYは初心者でもできる
ここまで読んでいただいて、椅子の張り替えDIYのハードルが少し下がったのではないでしょうか。
最初は道具を揃えたり、古い針を外したりと面倒に感じる部分もありますが、作業自体はシンプルです。何より、自分の手で蘇らせた椅子に座る気分は格別です。
費用もプロに頼むより断然安く済みますし、クッションや生地を自分の好みで選べるのもDIYならではの醍醐味。週末の半日を使って、お気に入りの椅子をもう一度輝かせてみませんか。

コメント