リベットかしめとは?種類や方法、選び方をわかりやすく解説

リベットかしめって、言葉は聞いたことがあるけど、実際どんなものなのかよくわからない……という方も多いのではないでしょうか。

部品と部品を固定する方法には、ボルトやネジ、溶接などいろいろありますが、リベットかしめはそれらとはちょっと違う特徴を持っています。

この記事では、リベットかしめの基本的な仕組みから、代表的な種類、カシメ方法の違い、選び方のポイントまでわかりやすく解説します。

リベットかしめとは?その仕組みと特徴

リベットかしめとは、リベットと呼ばれる金属製の留め具を使って、複数の部材を接合する技法です。

もう少し具体的に言うと、リベットの軸の一部を変形させて、抜け止めを作ることで部材を固定します。この変形させる作業を「カシメる」と呼びます。

リベットには頭部と軸があり、あらかじめ開けられた穴に軸を通し、軸の先端側をハンマーや専用工具で押しつぶすか広げることで、強固に固定します。

リベットかしめの大きな特徴は、ボルトのようにネジで締め付けるのではなく、金属を変形させることで固定する点にあります。そのため、振動が加わってもネジのようにゆるみにくいというメリットがあります。

その一方で、一度カシメてしまうと分解が難しく、再利用ができないというデメリットもあります。そのため、基本的には恒久的な接合を目的として使われます。

リベットかしめの種類と特徴

リベットかしめと一口に言っても、リベットの形状やカシメ方法によっていくつかの種類があります。ここでは代表的な3種類を紹介します。

それぞれの構造や作業性、強度、向いている用途が異なるため、自分がやろうとしている作業に合ったものを選ぶことが大切です。

1. ソリッドリベット(丸リベット・平リベット)

ソリッドリベット

ソリッドリベットは、頭部と中身が詰まったまっすぐな軸で構成される、最も基本的な形状のリベットです。

このリベットをカシメるには、軸の先端をハンマーや専用機で押しつぶして頭を作ります。そのため、表と裏の両側から作業にアクセスできる必要があります。

特徴としては、なんといってもその強度の高さです。特にせん断強度(横からの力に対して耐える強さ)に優れており、航空機の機体や鉄骨構造など、大きな荷重がかかる重要な箇所に使われています。

ただ、両側からの作業が必要なうえ、カシメるのにかなりの力を要するため、作業スペースや工具に制約がある現場では使いにくい場合があります。

2. ブラインドリベット(ポップリベット)

ブラインドリベット

ブラインドリベットは、現在もっとも広く使われているリベットの一種です。

リベットのボディにマンドレル(芯棒)と呼ばれる細い棒が通っており、専用工具のリベッターでマンドレルを引っ張ることでカシメます。このとき、リベット本体の先端側が膨らんで固定されます。

このリベットの最大のメリットは、なんといっても片側からだけの作業でカシメられる点です。パイプや箱状の筐体のように、裏側に手が届かない場所でも接合できるため、建設現場や自動車の製造、家電製品など、幅広い分野で使われています。

一方で、ソリッドリベットに比べると強度は劣ります。また、マンドレルという部品を使う構造上、コストが高くなる傾向があります。カシメた後、マンドレルの先端部分が折れて抜け落ちるのもこのタイプの特徴です。

3. 中空リベット(チューブラリベット)

中空リベット

中空リベットは、その名の通り軸の先端部分がパイプ状に空洞になっているリベットです。

このリベットは、パイプ状の部分を内側または外側に広げるようにしてカシメます。そのため、ソリッドリベットほど大きな力を必要とせず、比較的少ない力で綺麗に仕上げられます。

ただし、両側からの作業が必要な点はソリッドリベットと同様です。

このリベットは、電子部品や精密機器、革製品、バッグなど、比較的薄い部材やデリケートな素材を綺麗に仕上げたい場合に適しています。

カシメ方法の違い:プレスカシメとスピンカシメ

リベットの種類だけではなく、カシメる方法(工法)にもいくつかの種類があります。ここでは代表的な「プレスカシメ」と「スピンカシメ」の違いを解説します。

プレスカシメ

プレスカシメは、プレス機を使ってリベットを一方向から強い力で押しつぶす方法です。

特徴は加工速度が速く、設備コストが比較的安価な点です。衣料品や住宅設備、電子部品など、単純な構造物を大量に生産する場面でよく使われます。

一方で、加工時に大きな音や振動が発生することがあり、ワーク(加工対象物)にダメージを与えるリスクもあります。そのため、精密な部品や割れやすい素材の加工にはあまり向いていません。

スピンカシメ

スピンカシメは、リベットの軸に対して数度傾けたスピンヘッドを回転させながら圧力をかけて変形させる方法です。

この方法のメリットは、プレスカシメに比べて約7分の1という非常に小さな力で加工できる点です。そのため、ワークやリベットへのダメージが少なく、精密な仕上がりが求められる部品の加工に適しています。

具体的には、モーターの軸やヒンジ、医療機器など、高い精度が要求される場面で採用されることが多いです。

ただし、専用のスピンカシメ機が必要であり、プレスカシメに比べて設備コストが高くなる場合がある点はデメリットと言えるでしょう。

リベットかしめと他の接合方法の違い

リベットかしめと同じような目的で使われる接合方法に、ボルト締め溶接があります。それぞれに特徴や向き不向きがあるため、簡単に比較してみましょう。

  • ボルト締めは、ネジの力で締め付けるため、分解や再締結が可能です。しかし、振動によってゆるみが発生するリスクがあります。頻繁にメンテナンスを行う可能性がある部品にはボルト締めが適しています。
  • 溶接は、部材同士を溶かして一体化させるため、非常に高い接合強度が得られます。ただし、熱の影響で部材が変形する可能性があり、専門的な技術と設備が必要です。
  • リベットかしめは、振動に強くゆるみにくいという特徴を持ちます。また、溶接のように熱による変形が少ないため、異種金属の接合にも使えるケースがあります。ただし、分解は基本的にできません。

それぞれの特性を理解したうえで、目的や使用環境に合った方法を選ぶことが重要です。

リベットかしめのよくある疑問

リベッターとカシメ機の違いは何ですか?

リベッターは、主にブラインドリベットをカシメるためのハンド工具(手動工具)のことを指すことが一般的です。一方、カシメ機は、ソリッドリベットなどを対象に、空圧や油圧、電動で自動的にカシメる機械全般を指すことが多いです。

つまり、リベッターもカシメ機の一種と言えますが、対象となるリベットの種類や規模、動力源が異なる場合がほとんどです。作業の規模や頻度に合わせて選ぶとよいでしょう。

リベットかしめを選ぶときのポイント

リベットかしめを実際に採用する場合、以下のポイントを確認すると失敗が少なくなります。

  1. 作業スペースは片側だけか、両側からアクセスできるか
    両側からアクセスできるなら選択肢は広がりますが、片側だけならブラインドリベットを選ぶ必要があります。
  2. どの程度の強度が必要か
    高いせん断強度が求められるならソリッドリベット、そこまで強度が要らず作業性を優先するならブラインドリベットが適しています。
  3. 仕上がりの美しさは重視するか
    表面を綺麗に仕上げたいなら、中空リベットやスピンカシメが向いています。
  4. コストと生産数のバランス
    大量生産なら設備コストの安いプレスカシメ、精密さが求められる少量生産ならスピンカシメが検討しやすいでしょう。

まとめ

リベットかしめは、金属を変形させて接合する、古くからある信頼性の高い技術です。

  • ソリッドリベットは高強度で、航空機や鉄骨構造に向く
  • ブラインドリベットは片側作業が可能で、幅広い用途に使える
  • 中空リベットは少ない力で綺麗に仕上がり、精密機器や革製品に向く

カシメ方法にもプレス式とスピン式があり、それぞれ特徴が異なります。

リベットかしめはボルトや溶接とは異なる特性を持つため、作業環境や求める強度、仕上がりに合わせて最適な種類や方法を選ぶことが大切です。

この記事で紹介した種類やポイントを参考に、あなたの目的に合ったリベットかしめを見つけてみてください。

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