寒い冬の夜、窓のそばにいくとヒンヤリ冷たい空気を感じたことはありませんか?結露がひどくて、窓際のカーテンが湿ってしまう…そんな悩みを解決する手段のひとつが「内窓」です。
内窓は、今ある窓の内側にもうひとつ窓を取り付ける工事のこと。断熱性を高めて部屋の温度ムラを減らし、結露の発生を抑える効果が期待できます。
でも、「業者に頼むと費用が高いし、自分でやれるのかな?」と不安に思う方も多いでしょう。
この記事では、内窓DIYを検討している方向けに、基本的な手順や費用の目安、製品の選び方、そして絶対に知っておきたい注意点を解説します。自分でやるか、業者に頼むかの判断材料にもなる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
内窓DIYとは?まずは基本をおさらいしよう
内窓DIYとは、既存の窓の室内側に、別の窓(内窓)を自分で取り付けるリフォーム工事のことです。
もともと内窓の設置は、住宅メーカーやリフォーム会社などのプロが行うのが一般的でした。しかし、近年はDIYのノウハウが広まり、製品のラインナップも充実してきたことで、ある程度の工具経験があれば自分でチャレンジできるようになってきています。
内窓を設置する最大の目的は、住宅の断熱性を高めることです。窓は壁に比べて熱が逃げやすい場所。内窓を追加することで、外の冷気を遮り、室内の暖かい空気を外に逃がしにくくします。その結果、以下のような効果が期待できます。
- 暖房効率が上がり、光熱費の節約になる
- 窓周りの結露が減り、カビの発生リスクを抑えられる
- 外の騒音がやわらぎ、防音効果も期待できる
ただし、内窓DIYはあくまで自己責任の作業です。失敗した場合の保証はなく、寸法を間違えれば製品が取り付けられないこともあります。事前の準備と正確な作業が何より大切です。
内窓DIYの費用相場はどのくらい?
内窓DIYの費用は、製品のグレードやサイズによって大きく異なります。ここでは、あくまで目安として費用感を把握しておきましょう。
DIYの費用相場(1窓あたり)
- ホームセンターの汎用キット:1万円〜5万円程度
- 大手メーカーの内窓製品(樹脂サッシ):5万円〜15万円程度
これに加えて、以下のような副資材や工具が必要な場合は別途費用がかかります。
- コーキング材(シーリング材):数百円〜2,000円程度
- 断熱材(ウレタンフォームなど):1,000円〜3,000円程度
- ビス・アンカー類:数百円〜1,000円程度
- 電動ドライバーや水平器などの工具:持っていなければ購入が必要(数千円〜1万円程度)
一方、プロの業者に依頼した場合の費用相場は、1窓あたり20万円〜が一般的です。DIYと比べると、材料費に加えて施工費や出張費、保証代などが含まれるため、費用は3倍〜5倍ほどになります。
つまり、DIYを選ぶことで大幅なコスト削減が可能ですが、その代わりに自分で全ての工程をこなす責任が生じるわけです。
内窓DIYに必要な工具と材料をチェック
内窓DIYをスムーズに進めるには、事前に必要な工具と材料を揃えておくことが必須です。作業を始めてから「工具がない!」とならないよう、リストアップして準備しましょう。
必須工具
- メジャー(巻尺):採寸に使います。複数回測るため、正確なものを用意してください。
- 水平器:内窓をまっすぐに取り付けるために必須です。
- 電動ドライバー(またはドライバー):ビス留めに使います。長いビスを締めるため、電動があると作業効率が格段に上がります。
- カッターナイフ:梱包材のカットや、既存のコーキングを削る場合に使います。
- シリコンガン(コーキングガン):防水や隙間を埋めるためにコーキング材を注入する際に必要です。
- ケガキ針または鉛筆:取り付け位置のマーキングに使います。
あると便利な工具
- プラスドライバー・マイナスドライバー
- クランプ(固定用クリップ)
- 脚立(高所作業用)
主な副資材
- コーキング材(シーリング材):内窓と既存窓の隙間を埋めるために使います。ホームセンターで購入可能です。
- ウレタンフォーム(発泡断熱材):大きな隙間を埋めるのに便利です。
- マスキングテープ:コーキングをきれいに仕上げるために使います。
「何を買えばいいかわからない」という方は、製品を購入する際にメーカーや販売店が推奨する副資材セットを一緒に購入すると間違いが少なくなります。
内窓DIYの基本手順|5ステップでわかる施工の流れ
ここからは、内窓DIYの基本的な手順をステップごとに解説します。製品によって細かい工程は異なりますが、大まかな流れは共通しています。
1. 採寸(サイズ測定)がすべてのカギ
内窓DIYで最も重要なのが、正確な採寸です。ここでミスをすると、製品が窓に合わず、最悪の場合取り付けられなくなります。
採寸の基本ルール
- 幅:窓の開口部の左右(上部・中央・下部)の3箇所を測り、最小値を採用します。
- 高さ:窓の開口部の上下(左・中央・右)の3箇所を測り、最小値を採用します。
- 奥行き:窓枠の内側の奥行きを測り、製品の厚みが収まるかを確認します。
「だいたいこれくらい」ではなく、必ずメジャーで正確に測定してください。小数第一位まで測るのが理想です。採寸したサイズをもとに、製品をオーダーするか、規格品を選びます。
2. 製品を発注・購入する
採寸が終わったら、内窓製品を購入します。サイズに合わせてオーダーできる製品もあれば、あらかじめ決まったサイズの既製品を選ぶ方法もあります。
購入前に必ず確認したいポイントは以下の通りです。
- 製品の厚みが、既存の窓枠の奥行きに収まるか
- 開閉方法が既存の窓と干渉しないか
- マンションの場合は管理規約で内窓設置が制限されていないか
製品が到着したら、すぐに開封せず、まずは外箱に記載されているサイズが注文内容と合っているか確認しましょう。
3. 下地処理・既存窓枠の清掃
新品の内窓を取り付ける前に、既存の窓枠の状態を整えます。
- 窓枠のほこりや汚れをきれいに拭き取る
- 古いコーキング材が残っている場合は、カッターナイフなどではがす
- 窓枠に凹凸がある場合は、平らに整える(必要に応じてパテ処理)
下地が汚れていたり凸凹していると、新しい内窓がしっかり密着せず、隙間ができてしまいます。断熱効果を最大限に発揮させるためにも、この工程は丁寧にやりましょう。
4. 内窓の仮置きと水平出し
実際に内窓を窓枠に当ててみて、水平・垂直が合っているかを確認します。
- 内窓を既存窓の内側に仮置きする
- 水平器を使って、上下左右のバランスを確認する
- ずれている場合は、シム(調整用スペーサー)を入れて調整する
このとき、内窓がまっすぐに設置されていないと、開閉がスムーズにいかなくなったり、見た目が悪くなったりします。時間をかけて入念に調整してください。
5. 本固定とコーキング仕上げ
水平が出たら、いよいよ本固定です。
- 付属のビスを使って、内窓を窓枠に固定する
- ビスの打ち込み位置は製品の指示に従う(枠を傷つけないよう注意)
- 内窓と既存窓の隙間にコーキング材を充填する
- マスキングテープを使ってコーキングをきれいに仕上げる
コーキングは、断熱性と防水性を高める重要な工程です。隙間なくしっかり充填しましょう。仕上げに指やヘラでならすと、見た目がきれいに仕上がります。
最後に内窓を開閉して、スムーズに動くか、きちんとロックがかかるかを確認してください。これで施工完了です。
内窓DIYでよくある失敗とその対策
せっかくDIYに挑戦するなら、失敗は避けたいですよね。ここでは、内窓DIYでありがちな失敗例と、それを防ぐための対策をまとめました。
採寸ミス
最も多い失敗が採寸間違いです。1箇所だけ測って製品を注文したら、実際には歪みがあって入らなかった…というケースは少なくありません。
対策:必ず3箇所ずつ測り、最小値を採用する。また、測る前にメジャーのゼロ点が正しいかを確認しましょう。
水平が出ていない
目分量で取り付けると、内窓が斜めになってしまいます。開閉が重くなったり、見た目が悪くなったりする原因です。
対策:水平器を必ず使い、上下左右のバランスを細かく確認する。助手を頼んで、遠くから見てもらうのも効果的です。
コーキング不足やムラ
隙間をきちんと埋めないと、冷気が入り込み断熱効果が半減します。また、見た目も台無しになります。
対策:コーキング材はたっぷりめに充填し、指やヘラで丁寧にならす。マスキングテープを使えば、はみ出しを防げます。
既存窓の形状を無視した製品選び
特にマンションの場合、窓の形が特殊だったり、防火規制があったりします。すべての窓に同じ製品が合うわけではありません。
対策:購入前にメーカーの適合表を確認する。マンションの場合は管理組合に問い合わせをしましょう。
内窓DIYでおすすめの製品と選び方
ここからは、内窓DIYを検討する際に知っておきたい製品選びのポイントと、代表的な製品を紹介します。いずれも国内の主要メーカーが販売する製品で、実績と信頼性があります。
樹脂サッシとアルミサッシの違いを理解する
内窓の素材には大きく分けて「樹脂サッシ」と「アルミサッシ」があります。
樹脂サッシは熱伝導率が低いため、断熱性に優れています。結露の発生を抑えたい方や、本格的な断熱効果を求める方に向いています。ただし、アルミサッシよりも価格が高くなる傾向があります。
アルミサッシは熱伝導率が高く、樹脂サッシよりは断熱性が劣りますが、価格が安く軽量なのがメリットです。ホームセンターで手軽に購入できる規格品も多く、DIY初心者が試しやすい素材といえます。
この違いを理解したうえで、予算と目的に合った製品を選びましょう。
YKK AP「プラマードU」
国内シェアトップのYKK APが販売する内窓製品です。樹脂サッシを採用し、高い断熱性能(U値)を実現しています。結露対策や冷暖房効率の向上を本気で考えている方に選ばれています。
プラマードU- 特徴:樹脂サッシ+複層ガラス(Low-Eガラス仕様あり)。さまざまな開閉方式に対応。
- メリット:断熱性が高く、結露ができにくい。カラーバリエーションが豊富で、インテリアに合わせやすい。
- デメリット:高価格帯。納期がかかる場合がある。
- 向いている人:断熱性能を最優先したい人、長く住む自宅でしっかりしたリフォームをしたい人。
- 向いていない人:とにかく費用を抑えたい人、すぐに施工したい人。
- 注意点:施工はプロ推奨とされていますが、DIYマニュアルも公開されています。自己責任で行う場合は、事前にしっかり手順を確認してください。
LIXIL「インプラス」
LIXILが展開する内窓で、YKK APの製品と並ぶ主要ブランドです。スタイリッシュでフラットなデザインが特徴で、見た目の美しさを重視する方に支持されています。
インプラス- 特徴:樹脂サッシ+複層ガラス。通気層(エアスリット)を設けた設計で結露対策にも配慮。
- メリット:デザイン性が高く、モダンなインテリアに調和する。防犯ロック機構も備えている。
- デメリット:プラマードUと同様に高価格帯。既存の窓枠デザインによってはマッチしない場合もある。
- 向いている人:見た目やデザインにこだわりたい人、マンションなどで通気性を気にする人。
- 向いていない人:コストを最重視する人。
- 注意点:こちらもプロ施工が基本です。DIYで行う場合は、公式の施工マニュアルをよく読んで作業を進めましょう。
ホームセンターのオリジナル内窓キット
カインズやコーナンなどのホームセンターでは、独自ブランドの内窓キットが販売されています。価格が手頃で、店頭で実物を確認できるのが大きな魅力です。
内窓 キット- 特徴:主にアルミサッシ製。サイズが規格化されており、既製品をその場で購入できる。
- メリット:価格が安い(1万円台から)。寸法を間違えても交換しやすい(場合による)。
- デメリット:樹脂サッシに比べて断熱性は低め。アルミの特性上、結露が発生しやすいこともある。デザインの選択肢が限られる。
- 向いている人:予算を抑えたい人、賃貸住宅で手軽に試したい人、まずは効果を体感したい人。
- 向いていない人:高い断熱性能を求める人、見た目にこだわる人。
- 注意点:サイズが合わない場合は、別途隙間を埋める部材を用意する必要があります。設置後の結露リスクも理解したうえで選びましょう。
プロに依頼する場合との比較|DIYと業者施工の違い
内窓設置をDIYでやるか、プロに任せるかは、多くの人が迷うポイントです。それぞれの特徴を整理してみましょう。
DIYの特徴
- メリット:材料費のみで施工できるため、コストを大幅に削減できる。自分のタイミングで自由に作業できる。
- デメリット:保証が適用されない。失敗した場合のリスクはすべて自己責任。重労働で、1人では難しい作業もある。
- 向いている人:工具の扱いに慣れている人、自分でやる達成感を味わいたい人、失敗を許容できる人。
- 向いていない人:高い仕上がりを求める人、時間がない人、作業に自信がない人。
プロ業者に依頼する場合の特徴
- メリット:施工保証がある。仕上がりが確実で、製品選びから施工まで一貫して対応してくれる。助成金申請の代行をしてくれる場合もある。
- デメリット:DIYに比べて費用が高い(約3〜5倍)。日程調整が必要。業者によって対応品質に差がある。
- 向いている人:確実性を最優先する人、面倒な手間をかけたくない人、マンションの防火規制など複雑な条件がある人。
- 向いていない人:とにかく費用を削減したい人。
内窓設置は、やろうと思えばDIYでも十分可能な工事ですが、「確実にきれいに仕上げたい」「保証がほしい」という方は、無理せずプロに相談するのが安心です。
内窓DIYをする前に絶対に確認すべきこと
最後に、内窓DIYを始める前に、必ず確認しておきたいポイントをまとめます。
自治体の補助金制度をチェック
お住まいの地域によっては、内窓設置に対して補助金が交付される場合があります。東京都など一部の自治体では、既存住宅への内窓設置を促進するための補助制度を実施しています。
ただし、補助金は毎年度予算が変わり、申請期間も限られています。また、施工条件や申請書類の要件も細かく定められています。「補助金がもらえる」という情報だけで始めるのではなく、必ずお住まいの自治体の公式サイトで最新情報を確認してください。
マンションの場合は管理規約を確認
集合住宅の場合は、管理規約や使用細則で内窓の設置が制限されていることがあります。特に、防火地域や準防火地域に該当する物件では、内窓にも防火性能が求められる場合があります。
DIYを始める前に、管理組合に問い合わせて内窓設置の可否を確認しましょう。確認せずに施工すると、後々トラブルの原因になりかねません。
天候や作業環境を考慮する
内窓DIYは、ある程度まとまった時間と体力が必要な作業です。天候が悪いとコーキング材が乾きにくくなったり、脚立を使った高所作業が危険になったりします。天気の良い日を選んで、無理のないスケジュールで進めましょう。
失敗したときの対処法を考えておく
どんなに注意しても、採寸ミスや施工不良が起こる可能性はゼロではありません。もしものときのために、製品の返品・交換が可能か、別途部材でカバーできるかをあらかじめ調べておくと安心です。
内窓DIYに関するよくある疑問
Q. 内窓をDIYで取り付けると、逆に結露が悪化することはありますか?
適切に施工されていれば、結露は改善される方向に働きます。ただし、施工が不完全で内窓と既存窓の間に隙間ができると、その隙間で結露が発生し、見えない場所でカビが生えるリスクがあります。施工の精度が仕上がりを左右するといっても過言ではありません。
Q. ペアガラスの窓に、さらに内窓を付ける効果はありますか?
ペアガラスだけでもある程度の断熱効果がありますが、内窓を追加することでさらに断熱性が高まります。ただし、既存窓の状態や住宅全体の断熱性能によって効果の実感は異なります。
Q. 内窓DIYに必要なスキルレベルはどのくらいですか?
電動ドライバーや水平器を使った経験があり、説明書を読みながら作業を進められる程度のスキルがあれば、チャレンジできるでしょう。ただし、はじめてのDIYという方には、ややハードルが高い作業です。最初は小さな窓で試すのも一案です。
Q. 内窓を付けると防音効果も期待できますか?
内窓を設置することで、外の騒音が軽減される場合があります。特に樹脂サッシや複層ガラスを使用した製品は、アルミサッシ単板ガラスよりも遮音性に優れる傾向があります。ただし、完全に防音できるわけではないので、あくまで補助的な効果として捉えておきましょう。
内窓DIYは準備と正確さが成功のカギ
内窓DIYは、正しい知識と丁寧な作業で十分に成功させられるリフォームです。費用を抑えつつ、住まいの快適性を高められる魅力的な選択肢といえるでしょう。
しかし、あくまで自己責任の作業であることを忘れてはいけません。採寸は正確に、施工は慎重に。わからないことや不安なことは、製品メーカーやホームセンターのスタッフに相談しながら進めるのがおすすめです。
もし「自分でやるのは不安…」と感じたら、プロへの依頼も検討してみてください。費用はかかりますが、その分、確実な仕上がりと保証が得られます。
どちらの選択をするにしても、まずはお住まいの窓の状態をチェックし、自分に合った方法を選ぶことが大切です。内窓DIYにチャレンジする方は、この記事で紹介した手順と注意点を参考に、快適な住まいづくりを進めてください。

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