家の外壁、なんだか色あせてきたな。コケやカビが目立つようになってきた。
でも業者に頼むと100万円以上かかるって聞くし、できれば自分でなんとかしたい。
そんな風に考えているあなた、ちょっと待ってください。外壁DIYは「やるかやらないか」の判断と、「どう安全にやるか」の知識がすべてです。ここではプロの意見も交えながら、本当に必要な情報だけを正直にお伝えします。
外壁DIY、本当に自分でできる?プロが教える現実的な判断基準
「外壁DIY」と検索する人の多くは、費用を抑えたいという気持ちが一番だと思います。実際、30坪の2階建て住宅で外壁塗装を業者に依頼すると、100万円から130万円が相場です。DIYなら材料費だけなら20万円から30万円程度に抑えられます。
ただし、安さだけで飛びつくのは危険です。塗装専門店のプロたちは口をそろえて「外壁DIYは相当難しい」と言います。理由は大きく3つ。
まず高所での作業による転落の危険性。2階以上の外壁作業は、プロでも足場を組んで命綱をつけて行うものです。脚立だけでの作業は命に関わります。
次に仕上がりの問題。高圧洗浄での下地処理、ひび割れの補修、養生と、塗る前の工程が全体の7割を占めると言われるほど重要です。ここを省くと、せっかく塗った塗料が1年で剥がれてしまうことも。
そして近隣トラブル。塗料の飛散や臭いで、隣の家の車や洗濯物に被害が出たら、修理代を請求される可能性もあります。
ではDIYは絶対に無理なのか?そうではありません。平屋住宅の外壁や、雨戸・破風板・軒天井などの付帯部塗装、部分的なタッチアップ補修であれば、初心者でも十分取り組めます。
まずは「自分の家のどの部分を、どこまでやりたいのか」をはっきりさせることから始めましょう。
外壁DIYの正しい手順と準備すべき道具一式
作業の流れを知れば、全体像が見えて不安も減ります。基本的な手順は次の通りです。
- 近隣への事前挨拶と作業日程の共有
- 高圧洗浄機で外壁の汚れ・カビ・古い塗膜を落とす
- ひび割れや欠けている部分をコーキング材やパテで補修
- 塗らない部分を養生テープやビニールシートで覆う
- 下塗り(シーラーやプライマー)で塗料の密着性を高める
- 中塗り・上塗りの2回塗りで仕上げる
ここで欠かせない道具を挙げておきます。
- 高圧洗浄機:ケルヒャーなどのレンタルでもOK。これがないと塗料がしっかり密着しません
- 養生セット:マスカー、養生テープ、ビニールシート。これで仕上がりと近隣トラブルが決まる
- ローラーと刷毛:広い面はローラー、細かい部分は刷毛で
- 塗料用バケットとトレイ
- コーキング材とヘラ:ひび割れ補修に必須
- シーラー・プライマー:塗料の密着と耐久性を左右する重要な下塗り材
- 安全帯(命綱)とヘルメット:平屋でも脚立作業では必須
- 丈夫な脚立か作業台
道具はホームセンターで一式揃えられますし、レンタルで済ませられるものも多いです。
失敗しない塗料選びのポイントとおすすめ7選
塗料選びで失敗すると、数年で塗り直しになってしまいます。初心者におすすめなのは水性の1液型塗料です。有機溶剤を使わないので低臭で扱いやすく、道具の片付けも水でできます。
また樹脂の種類も重要です。価格と耐久性のバランスが良いシリコン系がDIY向き。耐用年数は7年から10年程度です。
以下、実際にホームセンターや通販で手に入り、初心者でも扱いやすい塗料を7つ紹介します。
エスケー化研 水性クリーンマイルドシリコン
水性1液型のシリコン塗料。低臭で近隣に配慮しやすく、DIY初心者の入門に最適です。
アステックペイント スーパーシリコン
プロ向けメーカーの塗料で遮熱性が高いのが特長。夏場の室内温度上昇を抑えたい方に。
日本ペイント 水性パーフェクトトップ
ホームセンターでの入手性が抜群。カラーバリエーションが豊富で、思い通りの色を選べます。
関西ペイント アレスダイナミックTOP
防カビ・防藻性能が高く、湿気の多い地域や北側の壁面に心強い塗料です。
エスケー化研 水性セラミシリコンマイルド
セラミック配合で汚れがつきにくい低汚染タイプ。艶消しの高級感ある仕上がりになります。
ロックペイント 水性シリコンコート
初心者向けにわかりやすい説明が特徴。初めての外壁DIYにぴったりのリーズナブルな選択肢です。
アトムハウスペイント 水性シリコン
小分け販売があり、部分補修から試せます。説明書とサポートが丁寧なのも安心材料です。
この中で特におすすめは、エスケー化研の「水性クリーンマイルドシリコン」です。臭いが少なく乾燥も早いので、近隣住宅との距離が近い日本の住宅事情に合っています。
絶対にやってはいけない!外壁DIY4つの禁忌
プロが特に強調する「やったら終わり」なポイントがあります。
2階以上の壁面を作業しない
脚立での高所作業は毎年死亡事故が起きています。「ちょっとだけ」が命取りです。2階以上の外壁はプロに任せてください。
コーキングの打ち替えに手を出さない
サッシ周りや外壁のつなぎ目のゴム状の部分、これがコーキングです。プロでも技術がいる作業で、下手に打ち替えると中に水が入って内部腐食の原因になります。コーキングは打ち増し程度にとどめましょう。
高圧洗浄を省かない
汚れの上から塗ってもすぐに剥がれます。時間と手間はかかりますが、ここが最も重要な工程です。
養生を適当にしない
塗料が風で飛んで隣の車に付着したら、数万円から数十万円の賠償になることも。養生テープとビニールシートはケチらず、塗らない場所は徹底的に覆ってください。
費用はいくらかかる?業者依頼とのリアルな比較
気になる費用を正直に見てみましょう。
平屋住宅(延床30坪程度)の外壁DIYを想定した場合、塗料代が約8万円から12万円、道具一式が約5万円から8万円(高圧洗浄機レンタル含む)、養生資材が約1万円から2万円で、総額15万円から22万円程度です。
同じ規模を業者に依頼すると、足場代込みで80万円から100万円が相場です。単純な金額差は60万円以上。この差をどう見るかですね。
ただしDIYには見えないコストもあります。作業日数は初心者で1週間から10日間。休日がつぶれること、そして数年後に塗膜が剥がれて結局業者に頼むことになった、というケースも多いのが実情です。
あくまで「平屋」か「付帯部のみ」であれば、DIYのコストメリットは十分あります。
安全第一!近隣トラブルを防ぐための必須マニュアル
DIYで最も気をつけるべきは、実は技術よりも人間関係です。
作業を始める前に、必ず近隣の家に挨拶に行きましょう。「○日から○日まで外壁の塗装を自分でします。臭いや音でご迷惑をおかけしますが、養生はしっかりします」と伝えるだけで印象がまったく違います。
実際のトラブル事例としては、塗料の飛散で隣家の車のボディに細かい点々がついた、洗濯物に臭いがついた、高圧洗浄の水しぶきが飛んだなどがあります。養生シートは風でめくれないようしっかり固定し、風の強い日は作業を控えるのが鉄則です。
また塗料の臭いは水性でも完全には消えません。換気の悪い住宅密集地では、塗装する面を小分けにして作業時間を短くする配慮も必要です。
それでも外壁DIYに挑戦したいあなたへ最後のアドバイス
ここまで読んで「やっぱり自分でやってみたい」と思った方、その気持ちはよくわかります。自分の手で家をきれいにすると、驚くほど愛着が湧きますから。
最後に3つだけ、心に留めておいてください。
挑戦するなら、まずは平屋の一面か、目立たない裏側の壁で練習してみましょう。失敗しても自分だけが気になる場所で腕を試す。これならリスクは最小限です。
暑い夏場と寒い冬場の作業は避けてください。気温5度以下と30度以上では塗料が正常に乾燥しません。春か秋の穏やかな天気の日を選びましょう。
そして、少しでも不安を感じたら迷わずプロに相談する勇気も大切です。最近は部分塗装だけを請け負う業者も増えています。
外壁DIYは、正しい知識と準備、そして自分の力量の見極めで結果が大きく変わります。この記事があなたの判断の助けになれば幸いです。安全第一で、良い住まいづくりを楽しんでください。

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