押入れの奥にしまい込んだ布団、いつ使うかわからない来客用の座布団、そして気づけば増えている衣類の山。
「とりあえず押入れに入れておこう」
その積み重ねが、気づけば扉を開けるたびにため息が出るような「魔窟」を生み出してしまいます。
でも大丈夫。ちょっとした工夫とDIYで、あの使いにくい押入れは驚くほど使いやすい収納スペースに生まれ変わります。
今回ご紹介するのは、工具が苦手な人でもトライできる棚の作り方。既製品を上手に使う方法から、木材をカットしてがっつり作る方法まで、あなたのやる気レベルに合わせて選べるようにまとめました。
なぜ押入れは使いにくいのか?原因を知れば解決策が見える
押入れが使いにくい理由は、実にはっきりしています。
まず奥行きがありすぎること。一般的な押入れは奥行きが80cm以上あります。手を伸ばしても届かない奥の空間は、物を詰め込むだけのデッドスペースになりがちです。
次に中段の棚が固定されていること。多くの押入れは床から90cm前後の位置に中段があり、高さの調整ができません。布団をしまうには十分でも、衣装ケースを積むには中途半端。天井までの上部空間は使い道がわからず、気づけば突っ張り棒とハンガーでごちゃごちゃに。
そして最大の問題は物が迷子になること。手前の物をどかさないと奥に手が届かない。結果、奥にしまった物の存在を忘れ、同じような物を買ってしまう。これが「押入れあるある」の正体です。
だからこそ、棚を使って空間を仕切り直すことが根本的な解決策になります。
まずは作戦会議。あなたの押入れはどっちタイプ?
DIYを始める前に、絶対に確認してほしいことがあります。それはあなたの押入れの「構造」です。
Aタイプ:中段が固定された押入れ(賃貸に多い)
中段の棚が壁にがっちり固定されていて、取り外しができないタイプ。この場合は中段を活かしながら、上下の空間をどう使うかが勝負になります。
Bタイプ:中段を外せる押入れ(戸建てや一部の賃貸)
中段が可動式だったり、思い切って外してしまえるタイプ。これなら押入れ全体をひとつの大空間として使えるので、自由度は格段に上がります。
まずは押入れを開けて、中段が外せそうかチェックしてみてください。これだけで設計の方向性がまったく変わってきます。
押入れを劇的チェンジ!おすすめDIYプラン3選
プラン1:超簡単!突っ張りラックで5分設置
「穴も開けられないし、工具も持ってない」という賃貸住まいの方にぴったりなのが、突っ張りタイプの収納ラックです。
中でも天馬 ピタッ!と伸びるん棚 トールタイプは、縦にも横にも伸縮できて耐荷重30kgという安定感。棚の高さも自由に変えられるので、収納する物に合わせて微調整できます。
横幅の広い押入れなら、ニトリ たて横伸縮 押入れ整理ラック CHSも選択肢。左右可動幅が108cmと広く、大きな空間も無駄にしません。
「とにかく手軽に」「今日から使いたい」という方には、まずこれを試してほしいところです。
プラン2:すのこで作る通気性バツグン棚
押入れの最大の敵は湿気です。特に布団を収納するなら、通気性の確保は必須。そこでおすすめなのが、すのこを使った棚づくりです。
すのこはホームセンターで数百円から手に入る上、カットも簡単。必要なサイズに合わせて組み立てるだけで、風通しの良いオリジナル棚が完成します。
作り方の基本ステップ:
- 押入れの内寸(横幅・奥行き・高さ)をしっかり採寸する
- 収納したい物の高さから、必要な棚の段数を決める
- 側面の板(側板)を先に作り、そこにすのこを渡していく
- ぐらつきが気になる場合はL字金具で補強
ビスを打つときは必ず下穴を開けてください。これを怠ると木材が割れる原因になります。また、ビスは必ず2本止め。1本だと回転して安定しません。
プラン3:本格派向け!2×4材で可動式収納庫
「どうせ作るならしっかりしたものがほしい」「将来レイアウト変更もしたい」という方には、2×4材と棚柱を使った本格的な可動棚がおすすめです。
棚柱と棚受けを使えば、後から棚の高さを自由に変えられるのが最大の魅力。季節によって収納する物が変わる押入れだからこそ、この可変性は大きな武器になります。
壁への固定には必ず石膏ボード用アンカーを使いましょう。下地がない場所に直接ビスを打っても、重さで抜けてしまいます。賃貸なら突っ張り式の柱を立てて、壁を傷つけずに作る方法もあります。
収納する物から逆算!棚の高さと奥行きの決め方
ここで一つ、忘れがちだけど超重要なポイントを。
棚の高さは「入れたい物」から逆算して決めるのが鉄則です。
布団を収納したい場合
通気性重視で、すのこ棚がベスト。高さは敷布団を三つ折りにした状態で測り、少し余裕を持たせます。押入れの奥の湿気がこもりやすい場所を避けて配置するのもコツです。
衣装ケースを収納したい場合
引き出しを引き出せるスペースを考慮するのが意外な落とし穴。ケースの高さプラス5cmは余裕を見てください。手前と奥に2列並べる場合は、奥に季節オフの服、手前に今着る服と決めると衣替えがラクになります。
本や書類を収納したい場合
奥行きが深すぎると本が取り出しにくいので、あえて手前にだけ棚を設置し、奥は別の収納にあてる「二段構え」が効果的です。
失敗しないための3つの鉄則
DIYで一番もったいないのは「作ったけど使いにくい」という結果になること。そうならないために、先輩DIYerたちが口をそろえて言うポイントをまとめました。
鉄則1:木材は軽くて乾燥したものを選ぶ
コストを抑えようと安い木材を買うと、水分を含んでいて後で反りや曲がりの原因になります。杉の胴縁(乾燥材)は軽くて扱いやすく、初心者におすすめです。6本セットで1000円前後とコスパも良好。
鉄則2:採寸は3回、カットは1回
押入れの寸法は、上・中・下で微妙に異なることがあります。必ず複数箇所を測り、一番小さい寸法を採用してください。これを怠ると、せっかく作った棚が押入れに入らないという悲劇が起きます。
鉄則3:仕上げよりもまず使ってみる
見た目にこだわりすぎると、完成までに時間がかかって挫折しがち。まずは機能重視で作り、使いながら調整するのが長続きのコツです。見た目が気になるなら、あとからリメイクシートを貼ったり、カーテンをつけたりすれば十分カバーできます。
押入れDIYでよくあるQ&A
Q:賃貸でもDIYしていいの?
原状回復できる方法なら大丈夫です。突っ張り式のラックや、壁に穴を開けない両面テープ式のフックを活用しましょう。どうしてもビス留めしたい場合は、壁の一部分にベニヤ板を立て、そこに固定する「壁面パネル方式」なら最小限の傷で済みます。
Q:湿気対策はどうすればいい?
すのこで通気性を確保するのに加えて、除湿剤を棚の隅に置くのが効果的です。押入れの下段は特に湿気がたまりやすいので、定期的に扉を開けて換気する習慣も忘れずに。
Q:工具がないんだけど…
最近のホームセンターでは木材カットサービスがあるので、設計図さえあれば自宅で組み立てるだけにできます。必要な工具は電動ドライバーと下穴用のドリルビットくらい。両方合わせても5000円以内で揃います。
押入れDIYは「収納力」を買うのと同じ
押入れの棚をDIYするということは、単に木材を組み立てることではありません。
それは「使えなかった空間」を「使える収納力」に変える投資です。
既製品の収納ラックを買うのもいい。でも、自分の押入れのサイズにぴったり合った棚は、既製品ではなかなか見つからないもの。だって押入れの寸法は家によって全部違うんですから。
今日、この記事を読み終えたら、まずは押入れを開けて採寸してみてください。その数字さえあれば、あなたの押入れは生まれ変わります。
押入れDIYで棚を作れば、毎日の「しまう」「取り出す」がストレスから快適に変わる。 その変化を、ぜひ実感してみてください。

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