「壁に棚が欲しいなあ」と思ったとき、まず頭に浮かぶのがDIYですよね。でも、いざやろうとすると「壁に傷をつけたくないし…」「ちゃんと固定できるのかな?」と、不安が先に立ってしまう。特に賃貸住宅に住んでいると、そのハードルはぐっと高くなります。
大丈夫です。この記事では、そんな不安をぜんぶ解消しながら、あなたの部屋にぴったりの棚を「安全に」「おしゃれに」作り上げる方法をご紹介します。工具選びから設置のコツ、具体例まで、一緒に見ていきましょう。
壁に棚を作る前に知っておきたい安全の基本
DIYの失敗で一番怖いのは、せっかく作った棚が落ちてくること。本や食器を置いた棚が、ある日突然ガシャン…なんて想像するだけでぞっとしますよね。でも、ちょっとした知識があれば、そんな事故は未然に防げます。
ここが一番大事なポイントなので、しっかり押さえておきましょう。
あなたの部屋の壁、なにでできてる?
日本の住宅の内壁は、ほとんどが「石膏ボード」という素材でできています。石こうを板状に固めたもので、厚さは約12.5mmが一般的。これ、意外と柔らかくて、普通のネジをそのまま打っても簡単に抜けてしまいます。
壁の裏側には「下地」と呼ばれる木の柱や鉄のフレームが入っていて、これが棚を支える鍵になります。下地がある場所は一定の間隔(約45.5cmごとが多い)で並んでいるので、ここをきちんと探し当てられるかどうかが、成功と失敗の分かれ道です。
下地の探し方、いくつかあるんです。 壁を手でコンコンと叩いてみて、高い音がする場所が下地、低いこもった音なら空洞です。より確実なのは、「下地探し」という専用の道具を使う方法。針を刺すタイプやセンサーで探知するタイプがあり、失敗したくないならセンサータイプがおすすめ。針の跡すら残したくない賃貸派の方には、磁石で石膏ボードを留めているネジを探す方法もありますよ。
耐荷重ってどれくらいなの?
よく「壁の耐荷重は10kg」と言われますが、これはあくまで目安。正しくは、固定方法によってまったく変わってくるんです。
下地の木に直接ネジを打ち込めば、15kg以上の重さにも耐えられます。一方、石膏ボードだけに固定する場合は、使用するアンカーの性能次第で5〜10kgが現実的なライン。棚受け金具にも耐荷重が表示されているので、必ず確認してくださいね。
重い本をぎっしり並べたいのか、小物を飾る程度なのか。目的によって選ぶべき固定方法は変わります。置きたいものを事前にイメージしておくと、あとで「載らない!」とならずに済みますよ。
賃貸でもOK!壁に穴を開けない棚の作り方
「原状回復が絶対条件…」という賃貸派の方にこそ知ってほしい、穴を開けないDIYの方法があります。どちらも手軽なのに、見た目は本格的。引っ越すときも安心です。
つっぱり棒で作る、手軽な壁面収納
一番シンプルなのが、つっぱり棒と板を組み合わせる方法。例えば、壁に2本のつっぱり棒を立てて、その間に棚板を渡すだけ。工具いらずでできてしまいます。
100円ショップでも材料が揃うので、まずは気軽に試してみたい方にぴったり。ただし耐荷重はあまり高くないので、フォトフレームや小さな観葉植物など、軽いものを飾るのに向いています。壁を傷つけないのはもちろん、設置も撤去も本当にラク。模様替えが好きな方にもおすすめです。
ディアウォールで作る、がっしり壁面収納
「もっとしっかりした棚がほしい!」という方に今大人気なのが、ディアウォールやラブリコといった突っ張り式の柱システムです。
仕組みはこう。2×4(ツーバイフォー)材という木材を床と天井の間で突っ張らせて固定し、その柱に棚受けを取り付けていくというもの。壁には一切触れないのに、柱には十分な強度が出せるので、かなり重いものでもしっかり支えられます。
実際にDIY好きな方々のブログなどを見ても、「ディアウォールを使えば、女性ひとりでも30分で壁面収納が完成した」「テレビ台としても使える強度」といった声が多く見られます。柱と棚板の色を変えたり、棚受けをアイアン製にしたりと、アレンジも自由自在。工夫次第で、既製品にはない自分だけの空間が作れますよ。
しっかり固定したいなら。壁に穴を開ける棚の作り方
「賃貸じゃないし、しっかり壁に固定したい」「重い本棚を作りたい」。そんな方は、壁に直接ネジを打ち込む方法に挑戦してみましょう。正しい手順さえ踏めば、ぐらつきのない棚が完成します。
必要な工具と材料を揃えよう
まずは準備から。木材や塗料は好みに合わせて選ぶとして、ここでは「固定」に関わる基本の道具を紹介します。
- インパクトドライバー:ネジ締めが圧倒的にラクになります。持っていなければ電動ドリルでも代用可
- ドライバービット:プラス2番が基本
- 水平器:棚が傾くと見た目も良くないし、物が滑り落ちる原因にも
- メジャー
- 下地探し:センサータイプのシンワ 下地センサーなどが正確で便利
- 石膏ボード用アンカー:下地がない場所に打つときに必須。コーナン ボードアンカーなど、耐荷重を確認して選びましょう
- 棚受け金具:アイアン ブラケットなど、好みのデザインで
- 木ネジ:下地に直接打つ場合は太めのコーススレッドがおすすめ
失敗しない作業手順
手順を一つずつ追っていけば、初心者でも大丈夫。焦らず、丁寧にが鉄則です。
- 棚を取り付けたい場所を決める
高さは、立って使うか座って使うかで変わります。立って手が届く範囲は床から85〜120cmくらい。実際に立ったり座ったりして、使いやすい位置を探ってみてください。 - 下地の位置を正確に探し、印をつける
ここが一番大事。下地探しを壁に当てて、ゆっくり動かしていきます。反応があった場所に鉛筆で印をつけましょう。下地は幅が4cmほどあるので、端ではなく中心を狙うのがコツです。 - 棚受け金具を取り付ける位置に印をつける
水平器を使いながら、棚受けを仮に当てて印をつけます。ここで傾いていると、あとで修正が大変。念入りに確認しましょう。 - 下穴を開ける
下地がある場所は、ネジの下穴をドリルで開けます。石膏ボードの場所に打つ場合は、アンカーの説明書通りのサイズの穴を開けてください。いきなりネジをねじ込もうとすると、ボードが割れたりネジがなめてしまったりするので要注意です。 - 金具を固定する
アンカーを使う場合は、このタイミングで穴に打ち込みます。そのあと、棚受け金具をネジでしっかりと固定。電動ドライバーの締めすぎに注意。手で最後は締めるくらいの感覚で、ちょうどいいところで止めましょう。 - 棚板を設置する
棚受けに板を乗せたら、下から短いネジで留めておくとズレ防止になります。
壁に穴を開けるなら、原状回復も考えて
どうしてもネジ穴は開きますが、石膏ボードの穴は市販の補修パテで簡単に埋められます。退去時に自分で補修すれば、敷金から引かれることもほとんどありません。どうしても心配なら、事前に管理会社に確認しておくと安心ですね。
こんなにある!壁の棚DIYのおしゃれ実例
さて、基本がわかったところで、次は「どんな棚を作ろう?」というワクワクする話です。ちょっとした工夫で、部屋の雰囲気はがらりと変わります。
キッチンの見せる収納棚
お気に入りのスパイスラックやコーヒー豆を並べる棚は、生活感を「見せる」場所に変えてくれます。パイン集成材にオイルステインを塗って、アンティーク調のアイアン ブラケットを合わせれば、カフェのような空間に。耐荷重に余裕があれば、ワイングラスを吊るすバーを取り付けても素敵です。
洗面所のちょい置きスペース
洗面台の横の壁に、幅15cmほどの小さな棚をつけるだけでも便利さは格段にアップ。歯ブラシやコップを置くのはもちろん、綿棒などの小物をガラスジャーに入れて並べると、それだけでおしゃれなディスプレイになります。湿気が多い場所なので、板には防腐・防水効果のある塗料を塗っておくと長持ちしますよ。
リビングの壁一面本棚
ディアウォールで複数の柱を立てれば、壁の幅いっぱいに大きな本棚を作ることだって夢じゃありません。棚板は、本の重みでたわまないように厚さ2cm以上のしっかりした板を選ぶのがポイント。途中で高さを変えれば、文庫本も大型の写真集もきれいに収まります。ブックエンドや雑貨と組み合わせれば、あなただけのライブラリーが完成です。
寝室のベッドサイドテーブル代わり
ベッドの横の壁に、ちょっとした台を付けるだけでも大活躍。寝る前に読む本や、スマホ、眼鏡の定位置が生まれます。コードが通せる穴を開けておけば、充電もスッキリ。上の階の生活音が気にならなければ、照明を取り付けて読書灯にするのもおすすめです。
ちなみに、棚板としてよく使われる木材は、SPF材やパイン集成材。価格と加工のしやすさのバランスが良いです。もう一歩こだわりたいなら、ウッドワン 仕上げてる棚板のように、あらかじめカットされ表面がきれいに仕上げられている既製品も便利ですよ。
壁の棚DIY、まずは一歩から始めよう
壁の棚DIYは、コツさえ掴めば誰にでもできる、楽しい模様替えです。
大切なのは「どんな壁なのか」を知り、「置きたいものの重さ」に合った方法を選ぶこと。それが、安心して長く使える棚づくりの秘訣です。今回ご紹介したように、賃貸なら跡が残らない方法、持ち家ならがっちり固定する方法と、選択肢はいくつもあります。
「今の自分の暮らしに、ほんの少しの収納をプラスしたい」。そんな気持ちがあなたの中に芽生えたのなら、もう立派なDIYのスタートライン。まずは100円ショップのつっぱり棒と板から試してみるのもいいですし、気に入ったブラケットを探してみるのも楽しい時間です。
失敗を怖がらず、あなただけの心地よい空間を、ぜひ手に入れてくださいね。

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