2025年JIS規格改正で変わる!「やすり 番手」の正しい選び方とP規格・#規格の違いを徹底解説

「やすりの番手、どれを選べばいいんだろう…」

DIYを始めたばかりの方や、久しぶりに研磨作業をする方なら、誰しも一度はこの悩みにぶつかったことがあるはずです。「#100」とか「P240」とか、数字が書いてあるのはわかるけど、何が違うのか、結局どれを買えば失敗しないのか。ネットで調べても情報が古かったり、説明がバラバラだったりして、余計に混乱してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。

実はここ数年で、この「番手」に関するルールが大きく変わろうとしているんです。2025年8月に新しいJIS規格が発表され、2026年2月からはその新しいルールが適用されることが決まっています。この最新の情報を押さえておくだけで、あなたの番手選びはぐっと確かなものになります。

そこでこの記事では、2025年のJIS規格改正で何が変わったのか、そして現場で今すぐ役立つ具体的な番手の選び方を、規格の成り立ちやユーザーのリアルな疑問とともに解説していきます。この記事を読めば、もう番手選びで迷うことはなくなりますよ。

そもそも「やすりの番手」って何を表しているの?

まずは基本のおさらいから。「番手」とは、やすり(研磨材)の表面にある砥粒(とりゅう)の粗さを表す数字です。

この数字が小さいほど砥粒は大きく「粗い」仕上がりに、数字が大きくなるほど砥粒は細かく「滑らかな」仕上がりになります。例えば、#40は超粗目、#1000は極細目といったイメージですね。

ここまでは多くの記事で共通して説明されている内容です。問題はこの先。同じ「240」という数字でも、実は規格が違えば粒度の分布が異なるという事実があります。この違いを理解していないと、思っていた仕上がりと違ってしまったり、作業の効率が大きく変わってしまうんです。

【最重要】2025年8月にJIS規格が改正されました

ここからがこの記事の核となる最新情報です。

2025年8月1日、研磨材の粒度に関する日本産業規格(JIS)が改正され、新しい規格(GB/T 9258.2-2025、GB/T 9258.3-2025、GB/T 2481.1-2025)が発表されました。そして、この新しい規格は2026年2月1日から施行されることが決定しています(全国標準情報公共服務平台、2025年8月)。

この改正は、塗布研磨材(いわゆるペーパーやすりなど)と固結研磨材(研磨といしなど)の両方にわたるもので、粒度の測定方法や表示方法がより国際的に整合性の取れたものへと更新されます。

なぜこれが重要かというと、現在ネットで公開されている多くの「番手解説」は、この新しい規格をまったく反映していないからです。つまり、これから購入する研磨材は新しい規格に基づいて製造・表示される可能性が高いのに、古い情報を元に選んでしまうと、思っていたものと違う製品を手にしてしまうリスクがあるんですね。

多くの人が間違える「P規格」と「#(F)規格」の違い

さて、ここからが本題です。「P240」と「#240」、この二つは何が違うのでしょうか。

結論から言えば、これらはまったく別の規格に基づく異なる粒度です。

  • #(またはF)規格(JIS R 6001) :主に研磨といし(固結研磨材)に使われる、古くからの日本の規格
  • P規格(JIS R 6010) :主にペーパーやすりや布やすり(塗布研磨材)に使われる、ヨーロッパ(FEPA)の規格をベースにした国際的な規格

つまり、同じ「240」という数字でも、P規格と#規格では「どの大きさの粒子をどれだけ含むか」という粒度分布が異なるわけです。これは多くのユーザーが混乱するポイントで、SNSやQ&Aサイトでも「P240と#240は同じですか?」という質問が繰り返し見られました。

数字だけじゃわからない!粒度分布の実態

具体的にどのくらい違うのか、不二製作所の公式サイト(2022年公開)に掲載されているJIS規格値を見てみましょう。

粒度番号規格体系最大粒子径 (μm)累積高さ3%点 (μm)累積高さ50%点 (μm)累積高さ94%点 (μm)
#240JIS R 6001 (F規格)127以下103以下57.0 ± 3.040以上
P240JIS R 6010 (P規格)127以下90以下60.0 ± 4.048以上

(出典:株式会社不二製作所「研磨材の粒度:換算表」を基に編集)

この表を見ると、最大粒子径は同じ127μm以下でも、それ以外の数値に明確な差があるのがわかります。特に累積高さ3%点(非常に細かい粒子の割合を示す指標)では、P規格の方が「90以下」と#規格の「103以下」よりも厳しい値が設定されています。これはP規格の方が、より細かい粒子の混入を厳しく管理していることを示しています。

つまり、「P240は#240よりも粒度分布がシャープで、より均一な粒子で構成されている」と言えるでしょう。ただし、永塚工業の公式QA(参照日:2026年7月11日)でも説明されている通り、これは規格が異なることが原因であり、「どちらが良い」という単純な話ではないんです。用途に応じて適切な規格の製品を選ぶ必要があります。

ユーザーが本当に知りたい「用途別・番手の実践的選び方」

ネット上の情報を調べていると、「粗目は#40〜#100」「中目は#120〜#240」といった大まかな分類はたくさん出てきます。でも、実際に作業をするときに知りたいのはもっと具体的なことですよね。

筆者がSNSやQ&Aサイトでのユーザーの声を調査したところ(2026年7月11日確認)、特に多い悩みは以下のようなものでした。

  • 「説明書に『#400で研磨』と書いてあるけど、手持ちの#320で代用できるの?」
  • 「DIY初心者だけど、最初に買うべき番手は何番?」
  • 「メーカーによって同じ#400でも研ぎ味が違う気がする」

そこで、ここでは実際の作業工程に沿った具体的な番手選びの目安を紹介します。あくまで目安であり、作業する材質や状態によって前後することをご了承ください。

鉄や金属の錆落とし・溶接跡の処理

  • #40〜#60:激しい錆びや溶接の盛り上がりを除去するための荒削り。この段階で傷を深く入れすぎないよう注意が必要です。
  • #80〜#120:荒削り後の整形や、中程度の錆び取りに。多くのDIYユーザーはこの範囲からスタートすることが多いようです。

木工(無塗装の木材の整形)

  • #60〜#100:のこぎりカット後の切断面の粗削りや、反り・狂いの修正。
  • #120〜#180:粗削り後の表面を整える中仕上げ。この段階でやすり目を徐々に細かくしていきます。

木工(塗装前の最終仕上げ)

  • #240〜#320:塗装のノリを良くするための下地作り。ここでしっかりと表面を均一にすることが、きれいな仕上がりの鍵です。
  • #400〜#600:塗装をはがした後の最終的な平滑化や、上塗り用の下地作り。

自動車のボディ補修(クリア層の研磨)

  • #600〜#800:塗装の足付けや、小傷の修正用。
  • #1000〜#1500:中仕上げ。徐々に目の細かいものに替えていきます。
  • #2000〜#3000:バフ掛け前の最終仕上げ。この範囲のペーパーを使うことで、バフ後の鏡面仕上げが格段にきれいになります。

メーカーによって番手が違う…その謎を解く「粒度分布」の視点

「メーカーによって同じ番手でも研ぎ味が違う」というユーザーの声は、非常に的を射ています。

これは先ほど説明した粒度分布の話に加えて、メーカーごとに製造工程や品質管理の基準が微妙に異なることが原因です。JIS規格はあくまで「この範囲に収まっていれば良い」という許容範囲を示したもの。そのため、同じ「#240」という表示でも、あるメーカーは上限ギリギリの粗い粒子を多く含む製品を、別のメーカーは下限に近い細かい粒子を中心とした製品を製造している可能性があります。

つまり、「番手」はあくまで目安であり、製品の実際の性能は粒度分布や製造品質に大きく依存するということです。この視点を持つだけでも、やすり選びの精度は格段に上がります。

「やすり 番手」選びで失敗しないための3つのポイント

ここまでを踏まえて、番手選びで失敗しないための実践的なポイントをまとめます。

① 作業工程を逆算して番手を決める
最終的にどんな仕上がりにしたいかから逆算して、使用する番手を計画します。例えば「#2000で仕上げたい」なら、その5〜6段階前の番手(#320→#600→#1000→#1500→#2000)から順番に使うという具合です。一気に番手を上げすぎると、前の工程の傷が残ってしまいます。

② 最低でも3〜4種類の番手を用意する
荒削り用(#60〜#100)、中仕上げ用(#120〜#240)、仕上げ用(#320〜#400)、極仕上げ用(#600〜#1000)といった具合に、工程に合わせた番手を揃えておくとスムーズです。

③ 規格表示を必ずチェックする
製品パッケージに「P」が付いているか「#(またはF)」が付いているかを確認する習慣をつけましょう。特に、これまでの説明でご理解いただいた通り、P規格と#規格は同じ番手番号でも粒度が異なるということを忘れないでください。特にP240と#240の違いは、仕上がりに影響するレベルで差が出ることがあります。

シーン別おすすめ商品

ここからは、これまでの内容を踏まえた上で、実際に購入を検討する際の参考として、いくつかの製品を紹介します。

3M サンドペーパー 各種番手セット NORTON サンドペーパー 耐水ペーパー 国産 研磨シート サンドペーパー 各種番手

いずれの製品も、ご自身の作業内容に合わせて番手を選んでいただければと思います。最初から全ての番手を揃える必要はありません。まずは荒・中・仕上げの3種類から始めて、作業をしながら足りないものを追加していくのがおすすめです。

まとめ:最新情報を押さえた「やすり 番手」選びで、ワンランク上の仕上がりを

この記事では、2025年8月に発表されたJIS規格の改正情報を踏まえつつ、P規格と#規格の違い、そして具体的な番手の選び方について解説してきました。

ポイントは以下の3つです。

  1. 2025年8月に研磨材のJIS規格が改正され、2026年2月から施行されます。 この新しいルールに基づいた製品が出回り始めるため、古い情報に頼らないことが大切です。
  2. 「P規格」と「#(F)規格」は別物です。 同じ「240」という数字でも粒度分布が異なるため、用途に合わせて適切な規格の製品を選びましょう。特にP240と#240は、最大粒子径は同じでも、それ以外の粒度分布に明確な差があります。
  3. 番手はあくまで目安です。 メーカーによる微妙な違いを理解し、自分の作業工程に合わせて段階的に番手を選ぶことで、思い通りの仕上がりに近づきます。

番手選びは、研磨作業の成否を左右する重要な要素です。今回お伝えした最新の規格情報と実践的な選び方を参考に、ぜひあなたのDIYやプロの現場で役立ててみてください。正しい番手を選ぶことが、時間の短縮と仕上がりの質向上の第一歩です。

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