DIYや木工を始めたばかりの頃、「のこぎりあさり」という言葉を聞いて、「アサリって何?」と疑問に思ったことはありませんか。
のこぎりを選ぶとき、商品説明に「アサリあり」「アサリなし」と書いてあるのを見て、どちらを選べばいいか迷ったことがある方も多いでしょう。
この記事では、のこぎりアサリの基本的な意味から、「あり」と「なし」の違いや使い分け方まで、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。
これを読めば、自分の作業に合ったのこぎりを選べるようになりますよ。
のこぎりアサリとは?基本の意味と役割
「アサリ」とは、のこぎりの刃先が左右に交互に振り分けられている状態のことを指します。
のこぎりの刃をよく見てみると、刃先がひとつずつ左右にわずかに曲がっているのがわかります。このひとつひとつの刃を「目」と呼び、この目を左右に振ることを「目立て」といいます。
では、なぜ刃を左右に振る必要があるのでしょうか。
アサリの役割は、主に次の2つです。
① 摩擦を減らす
のこぎりで木材を切るとき、刃と木材の間に摩擦が生じます。アサリがあることで切り溝がのこぎりの厚みよりも広くなり、鋸身が木材に挟まるのを防ぎ、スムーズに切断できるようになります。
② おがくずを排出する
切断中に出るおがくずは、切り溝の外へ排出されなければなりません。アサリによって作られた広い切り溝は、おがくずの逃げ道となり、詰まりを防ぎます。
つまり、アサリはのこぎりが快適に切れるようにするための、とても重要な役割を担っているのです。
このアサリの有無によって、のこぎりの特性が大きく変わってきます。
アサリありの特徴とメリット・デメリット
アサリありののこぎりは、一般的にホームセンターなどで最も多く販売されているタイプです。刃先が左右に交互に振られているのが特徴です。
メリット
切断スピードが速い
アサリのおかげで摩擦抵抗が少なく、力強くザクザクと切り進めることができます。スピーディーに作業を進めたい場面で力を発揮します。
おがくずの排出が良い
切り溝が広いため、おがくずが詰まりにくく、スムーズに切断を続けられます。
木材に挟まりにくい
木材が反ってのこぎりを挟んでしまうこともありますが、アサリがあることでそのリスクが軽減されます。
デメリット
切り口が荒くなることがある
アサリによって刃が広がっているため、切断面がややざらついた仕上がりになりがちです。
精密な作業には向かない
ダボ(木栓)や細かい部品を切断するとき、アサリがあるために周囲の材料を傷つけてしまう可能性があります。
こんな人に向いています
- 一般的なDIY作業をしている方
- スピード重視で作業したい方
- ザクザクと気持ちよく切り進めたい方
- ホームセンターで手軽にのこぎりを購入したい方
こんな人には向いていません
- 切断面の美しさを最優先する方
- 精密な木工作業をする方
- ダボ切りなど細かい加工をする方
アサリなし(アサリわけなし)の特徴とメリット・デメリット
アサリなしののこぎりは、刃先が左右に振られておらず、鋸身の厚みと切り幅が同じになっています。
実はこの「アサリなし」の技術には、ちょっとした歴史があります。日本の工具メーカーであるアルスコーポレーションが、世界で初めて「アサリわけなし」ののこぎり開発に成功したのは1958年のこと。従来の概念を覆す画期的な技術でした。
現在でもアルス社は、多くののこぎりを「アサリわけなし」の製法で製造しています。
メリット
切り口が非常に美しい
アサリがないため、切断面がなめらかで美しく仕上がります。これはアサリなしの最大の強みです。
ダボ切りに最適
ダボ(木栓)を切断するとき、周囲の材料を傷つける心配がありません。精度の高い作業が求められる場面で重宝します。
治具を傷つけにくい
ガイドや治具を使った切断でも、アサリがない分、治具を傷つけにくいという利点があります。
デメリット
切断に時間がかかる
摩擦抵抗が大きく、アサリありに比べると切断スピードは遅くなります。
のこぎりが挟まりやすい
おがくずの逃げ道が少ないため、切り溝にのこぎりが挟まることがあります。このとき無理に力を入れると危険ですので注意が必要です。
厚い木材には不向き
厚みのある木材を切ると、途中で挟まってしまい、作業が困難になることがあります。
こんな人に向いています
- 仕上がりの美しさを重視する方
- ダボ埋め(埋木)などの精密作業をする方
- 細かい造作や家具製作をする方
- 切断面をきれいに仕上げたい方
こんな人には向いていません
- スピードを重視する方
- 厚い木材を頻繁に切断する方
- 一般的な大工仕事がメインの方
アサリありとなしの違いを比較
ここで、アサリありとなしの違いをまとめてみましょう。
| 比較項目 | アサリあり | アサリなし |
|---|---|---|
| 切断スピード | 速い | 遅い |
| 切り口の美しさ | やや粗い | 非常に美しい |
| おがくず排出 | 良い | やや悪い |
| 挟まりにくさ | 挟まりにくい | 挟まりやすい |
| 向く作業 | 一般DIY、スピード作業 | 精密加工、ダボ切り |
このように、それぞれに一長一短があります。「どちらが優れている」ではなく、作業内容に応じて使い分けることが大切です。
用途別の選び方
では、具体的にどのように選べばよいのでしょうか。
一般DIY・大工仕事には「アサリあり」
ホームセンターで手に入る一般的なのこぎりは、ほとんどがアサリありです。DIY初心者の方や、スピード重視で作業を進めたい方には、アサリありを選んでおけば間違いありません。
精密加工・家具製作には「アサリなし」
仕上がりを美しく見せたい場合や、ダボを使った加工をする場合は、アサリなしを選びましょう。また、アルス社の「アサリわけなし」の製品は、刃を曲げるのではなく鋼材を研磨することでアサリを実現しており、切れ味と切り口の美しさを両立させたものもあります。
のこぎりアサリに関するよくある疑問
Q1. アサリなしののこぎりはどこで買えますか?
アサリなしののこぎりは、ホームセンターでも取り扱いがありますが、専門的な工具店やネット通販の方が品揃えが豊富です。購入の際は、商品説明で「アサリなし」または「アサリわけなし」と明記されているか確認しましょう。
Q2. アサリなしでも厚い木材は切れますか?
切れないことはありませんが、摩擦が大きいため切断に時間がかかり、途中でのこぎりが挟まりやすくなります。厚い木材を切る場合は、アサリありののこぎりを使うことをおすすめします。
Q3. アサリは自分で調整できますか?
のこぎりの目立ては、専門の技術と工具が必要です。初心者の方が自分でアサリを調整するのは難しいため、無理に行うと刃を傷める可能性があります。アサリを調整したい場合は、専門業者に依頼するか、目的に合ったのこぎりを新たに購入することをおすすめします。
のこぎりアサリを正しく理解して、作業に役立てよう
のこぎりのアサリは、ただの「刃の曲がり」ではなく、切断性能を左右する重要な要素です。
- アサリあり:スピーディーな切断が可能。一般DIY向け。
- アサリなし:美しい切り口が魅力。精密作業向け。
大切なのは、自分の作業内容に合った方を選ぶことです。どちらか一方が優れているわけではなく、使い分けがポイントになります。
のこぎりを選ぶときは、ぜひ「アサリ」にも注目してみてください。きっと、あなたにぴったりの一本に出会えるはずです。

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