金属部材を固定するための締結具として、さまざまな現場で使われている「リベット」。中でも「アルミリベット」は、軽量で錆びにくい特徴から、DIYから産業用まで幅広く活用されています。
でも、いざ選ぼうとすると……
- 鉄やステンレスと何が違うの?
- サイズの見方がよくわからない
- 電食って何? 大丈夫なの?
こんな疑問や不安を持ったことはありませんか?
この記事では、アルミリベットの基礎知識から、目的別の選び方、サイズの見方、そして電食などの注意点まで、実際に購入・使用する前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説します。
アルミリベットとは? まずは基本構造を理解しよう
アルミリベットと一口に言っても、実はいくつかのタイプがあります。まずは「リベットってそもそも何?」というところから確認していきましょう。
リベットは、金属や樹脂などの部材同士を強固に固定するための機械的締結具です。ボルトやネジと異なり、振動による緩みが発生しにくいという大きな特徴があります。
特にDIYや建築、製造現場でよく使われるのは「ブラインドリベット」というタイプです。片側からしかアクセスできない場所でも作業できるため、非常に便利なんです。
ブラインドリベットの構造はとてもシンプルで、主に2つのパーツでできています。
- フランジ(ボディ) :部材の表面に当たる「ツバ」の部分
- マンドレル(シャフト) :リベットの中心にある「棒」の部分
専用工具のリベッターを使ってマンドレルを引っ張ると、フランジが変形して部材を挟み込み、固定される仕組みです。マンドレルは途中で折れて抜け落ちるので、いわば「使い捨て」の締結具です。
この基本構造を押さえておくと、後述する種類や選び方の理解がぐっと深まります。
アルミリベットの種類と特徴
アルミリベットには、材質の組み合わせによっていくつかの種類があります。それぞれの特徴をしっかり理解して、用途に合ったものを選びましょう。
オールアルミタイプ
ボディもマンドレルもアルミニウムでできているタイプです。
メリット
- 軽量で耐食性に優れる
- 異種金属接触による電食のリスクが低い
デメリット
- スチールやステンレス製と比べると強度がやや低い
向いている人・用途
- アルミ材同士を接合する場合
- 軽量化を重視する場合
- 屋外や湿気の多い環境で使用する場合
- 特に電食を避けたい場合
向いていない人・用途
- 高い強度が要求される構造物
- 鉄やステンレスを母材とする場合
アルミボディ・スチールマンドレルタイプ
ボディがアルミ製で、マンドレルがスチール製のタイプです。最も一般的で、ホームセンターなどでもよく見かけます。
メリット
- オールアルミより強度が高い
- コストパフォーマンスに優れる
デメリット
- 異種金属(アルミと鉄)が接触するため、湿気の多い環境では電食が発生する可能性がある
向いている人・用途
- コストを抑えつつ、ある程度の強度が必要な用途
- 屋内使用や、電食のリスクが少ない環境
向いていない人・用途
- 屋外や湿気の多い環境で使用する場合(電食のリスクあり)
注意点
電食対策として、塗装や絶縁処理を施すなどの配慮が必要な場合があります。
オールステンレスタイプ
ボディ、マンドレルともにステンレス製のタイプです。
メリット
- 非常に耐食性が高い
- 高い強度を持つ
デメリット
- 高価
- アルミリベットより重い
向いている人・用途
- 水回り、船舶、屋外構造物など、高い耐食性と強度が求められる場所
向いていない人・用途
- 軽量化が最重要視される用途
- コストを抑えたい場合
注意点
母材がアルミの場合、電食のリスクがあります。
アルミリベットのサイズと選び方
アルミリベットを選ぶとき、最も重要なのが「サイズ選び」です。適切なサイズを選ばないと、固定が不安定になったり、リベットが抜けたり折れたりする原因になります。
リベット径(太さ)の選び方
リベットの径は、基本的に母材に開ける下穴の径に合わせて選びます。
一般的なサイズは以下のとおりです。
- φ2.4mm
- φ3.2mm
- φ4.0mm
- φ4.8mm
どの径を選ぶべきかは、固定する部材の材質や厚み、必要な強度によって異なります。目安として、板厚が厚くなるほど、また強度が必要になるほど大きい径を選びます。
対応板厚(つかみ厚)の確認が最重要
リベットを選ぶうえで最もチェックすべきポイントが「対応板厚」です。
リベットにはそれぞれ「何mmの厚さまで締結できるか」という対応板厚(つかみ厚)が決められています。
たとえば、NA32は対応板厚が1.0~3.2mm、NA34は2.0~4.2mmといった具合です。
板厚よりリベットが短すぎるとしっかり固定できません。逆に長すぎてもフランジが十分に変形せず、固定が甘くなります。
必ず自分の使う部材の厚みを測ってから、対応板厚を確認して選ぶようにしましょう。
品番の見方
メーカーによって表記方法は異なりますが、ロブテックスのNAシリーズを例にすると、品番の数字の意味がわかると選びやすくなります。
たとえば「NA32」の場合:
- 「NA」:シリーズ名(オールアルミタイプ)
- 「3」:リベット径がφ3.2mmであることを示す
- 「2」:対応板厚のランクを示す(数字が大きいほど厚い板に対応)
このように、品番にはサイズや対応板厚の情報が含まれていることが多いので、覚えておくと便利です。
アルミリベットを選ぶうえで絶対に知っておきたい「電食」の問題
アルミリベットを選ぶうえで最も注意すべきポイントのひとつが「電食(異種金属接触腐食)」です。
電食とは、異なる種類の金属が電解質(水など)を介して接触したときに発生する腐食現象です。
具体的な例で考えてみましょう。
アルミ母材にスチールリベットを使った場合
アルミと鉄ではイオン化傾向が異なるため、湿気のある環境で電気的な接触が生じると、アルミ側が優先的に腐食(溶ける)します。
つまり、アルミの板を鉄のリベットで固定すると、リベットではなくアルミの板のほうが腐食してしまうのです。
これを防ぐための基本対策は以下のとおりです。
- 母材とリベットの材質を揃える
アルミ板にはオールアルミリベットを使うのが最も安全です。 - 絶縁処理をする
どうしても異種金属を使う必要がある場合は、接触部分に絶縁材を挟んだり、塗装を施したりすることで電食を防げます。 - 使用環境を考慮する
屋内の乾燥した環境では電食のリスクは比較的低いですが、屋外や水回りでは特に注意が必要です。
形状による違い
アルミリベットには、頭部(フランジ)の形状によっていくつかの種類があります。用途に応じて使い分けましょう。
丸頭(標準タイプ)
もっとも一般的な形状です。ほとんどの用途で使えるスタンダードなタイプです。
皿頭
フランジが皿状になっていて、部材表面に沈み込む形状です。表面をフラットに仕上げたい場合に使います。ただし、母材にあらかじめ皿穴加工が必要です。
ラージフランジタイプ
標準タイプよりもフランジ(ツバ)の径が大きいタイプです。
メリット
- 下穴の位置ずれを吸収しやすい
- 樹脂や薄板などの柔らかい材料に対する保持力が向上する
向いている人・用途
- 樹脂、FRP、ベニア板など柔らかい素材を締結する場合
- ピッチがずれやすい部材の接合
向いていない人・用途
- 頭部を目立たせたくない場合
- 皿頭加工が可能な場合
カラータイプ(着色リベット)
フランジ部分が母材の色に近い色(白、黒、ベージュなど)で着色されているタイプです。
メリット
- 仕上がりが美しく、リベットが目立ちにくい
デメリット
- 標準タイプより高価な場合がある
向いている人・用途
- アルミサッシ、家具、インテリアなど、外観の美しさが重視される用途
向いていない人・用途
- 強度やコストを最優先する用途
アルミリベットを購入するときのチェックポイント
実際に購入する前に、以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 母材の材質を確認する
アルミなのか、鉄なのか、樹脂なのか。材質によって選ぶべきリベットが変わります。 - 母材の厚みを測る
対応板厚を確認するために必須です。 - 使用環境を考える
屋外なのか屋内なのか、水に濡れる場所なのか。電食のリスクを判断します。 - 必要な強度を考える
重いものを支えるのか、軽い部材を固定するだけなのか。強度が足りるかどうかを確認しましょう。 - 頭部の形状を決める
見た目や仕上がりにこだわる場合は、丸頭、皿頭、ラージフランジなどから選びます。 - 本数を計算する
必要本数をあらかじめ計算しておくと、無駄なく購入できます。
よくある疑問
Q. アルミ板にはどんなリベットを使えばいいですか?
A. 電食のリスクを避けるため、オールアルミタイプが基本です。ただし、屋内の乾燥した環境で、かつ強度を優先する場合は、アルミボディ・スチールマンドレルタイプも選択肢になります。
Q. リベットのサイズの見方がわかりません。
A. メーカーによって表記は異なりますが、多くの場合、品番にリベット径と対応板厚の情報が含まれています。ロブテックスのNAシリーズでは「NA32」などの表記で、径と板厚ランクがわかるようになっています。また、製品ページには必ず「適合母材厚」が明記されているので、自分の使う部材の厚みと照らし合わせて選びましょう。
Q. 鉄やステンレスにアルミリベットを使っても大丈夫ですか?
A. 技術的には可能ですが、電食のリスクがあります。アルミと鉄(またはステンレス)ではイオン化傾向が異なるため、湿気のある環境で接触するとアルミ側が腐食します。屋外や水回りで使用する場合は避けたほうが無難です。どうしても使う場合は、絶縁処理を施すなどの対策が必要です。
まとめ:アルミリベットは「材質」「サイズ」「使用環境」で選ぼう
アルミリベットの選び方のポイントを改めて整理します。
- 材質で選ぶ
- オールアルミ:電食リスクが低く、軽量。アルミ同士の接合に最適。
- アルミボディ+スチールマンドレル:コスパ良好。屋内用として一般的。
- オールステンレス:高強度・高耐食。水回りや過酷な環境に。
- サイズで選ぶ
- リベット径は母材の下穴径に合わせる。
- 対応板厚(つかみ厚)は必ず確認する。
- 品番の見方を覚えると選びやすい。
- 使用環境で選ぶ
- 屋外・水回りでは電食に特に注意。
- 母材とリベットの材質を揃えるのが基本対策。
- 形状で選ぶ
- 丸頭はスタンダード。
- 皿頭は表面をフラットに仕上げたい場合。
- ラージフランジは柔らかい素材や位置ずれ吸収に。
- カラータイプは見た目重視の用途に。
リベットは一度カシメると簡単には外せません。だからこそ、事前にしっかり選定することが成功のカギです。
この記事で紹介したポイントを参考に、あなたの用途にぴったりのアルミリベットを見つけてくださいね。

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