ノコギリを選ぶとき、「何を基準に選べばいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。ホームセンターに行くと、さまざまな種類のノコギリが並んでいて、どれを選べばいいのか迷ってしまいます。
この記事では、ノコギリの基本的な種類や選び方のポイントを押さえたうえで、シーン別におすすめのモデルを紹介します。これからノコギリをはじめて買う方も、より使いやすいものに買い替えたい方も、自分に合った1本を見つけるための判断材料にしてください。
ノコギリを選ぶ前に知っておきたい基礎知識
ノコギリを選ぶうえで、まず押さえておきたいのが「切断方向」と「刃のスペック」です。この2つを理解しておくだけで、迷わず選べるようになります。
切断方向で選ぶ
ノコギリの刃は、切る方向によって大きく分かれます。
横挽き(よこびき)
木材の長さ方向に対して垂直に切る、いわゆる「切断」に向いています。DIYで最もよく使う切り方で、材木を必要な長さにカットするときに活躍します。多くの汎用ノコギリはこの横挽き用として設計されています。
縦挽き(たてびき)
木材の長さ方向に沿って切る、いわゆる「割り」や「幅切り」に向いています。板材を縦に割ったり、溝を掘ったりするときに使います。横挽きよりも目が粗く、切り口はやや荒くなります。
縦横兼用タイプ
縦挽きと横挽きの両方に対応したモデルもあります。1本でさまざまな方向に切れるため、特に初心者や、作業現場に1本しか持ち込めない場合におすすめです。
刃のスペックで選ぶ
ノコギリの性能を左右するのが、以下の3つのスペックです。
刃渡り
刃の長さのことです。切る木材の太さの2〜3倍の刃渡りがあるとスムーズに切断できます。一般的なDIY用途なら250mm〜270mm程度が使いやすいでしょう。太い角材を切る場合は300mm以上のモデルを検討します。
ピッチ(目の粗さ)
刃の目の細かさを示します。数値が小さいほど目が細かく、精密な切断ができますが、切断に時間がかかります。一般的なDIY向けのピッチは1.5mm〜1.8mm程度です。精密な仕上がりを求めるなら1.4mm以下の細かいピッチのものを選びます。
板厚と切り幅
板厚が薄いほど抵抗が少なく軽快に切れますが、刃がしなりやすくなります。切り幅は刃が切り込む幅で、数値が小さいほど細かい切断が可能です。
替え刃式かどうか
現在のノコギリは、刃全体を交換する「替え刃式」が主流です。従来のように自分で目立てをする必要がなく、切れ味が落ちたら新しい刃に交換するだけなので、初心者でも簡単にメンテナンスできます。替え刃の入手性も重要な選び方のポイントです。
シーン別ノコギリのおすすめ
ここからは、実際の用途に合わせておすすめのノコギリを紹介します。紹介するモデルはいずれも、岡田金属工業所の「ゼットソー」シリーズです。同シリーズはDIYからプロの現場まで幅広く使われており、替え刃の入手もしやすい定番品です。
1. 最初の1本におすすめ:ゼットソーⅢ265
ゼットソーⅢ265特徴
縦挽き、横挽き、斜め挽きのすべてに対応した万能タイプです。刃渡り265mm、ピッチ1.75mm、板厚0.60mm、切り幅0.92mmというバランスの良いスペックを持ちます。1本でさまざまな切断方向に対応できるため、DIYのほとんどの場面で活躍します。
メリット
・切断方向を選ばないため、さまざまな作業に対応できる
・1本だけ持ち込める高所作業や現場でも重宝する
・汎用性が高いので、最初の1本として迷いにくい
デメリット
・特定の用途に特化しているわけではないため、精密加工や太物切断では専用モデルに敵わない場合がある
・切断面の滑らかさは精密モデルよりやや劣ることがある
向いている人
・DIYをはじめたばかりの初心者
・最初の1本を探している方
・さまざまな作業に対応できるノコギリが欲しい方
向いていない人
・家具製作などの精密な仕上がりを求める方
・太い角材を頻繁に切断する方
注意点
切断面の滑らかさを最優先する場合は、後述する精密モデルも検討してください。また、価格は販売店によって変動するため、購入前に各ECサイトでご確認ください。
2. 横挽きの定番:ゼットソー265
ゼットソー265特徴
ゼットソーシリーズの中でも特に有名なロングセラーモデルで、発売から30年以上にわたって多くの現場で使われています。横挽き専用モデルで、スペックはゼットソーⅢ265と同じく刃渡り265mm、ピッチ1.75mm、板厚0.60mm、切り幅0.92mmです。
メリット
・横挽きに特化しており、切断スピードと仕上がりのバランスが良好
・長年の実績があり、多くのプロも愛用する信頼性
・シリーズ共通の替え刃が使える
デメリット
・縦挽きには対応していない
・縦挽きが必要な場合は別途ノコギリを用意する必要がある
向いている人
・木材の長さを切る「横挽き」作業がメインの方
・DIYで一般的な切断作業を行う方
向いていない人
・板材の幅切りなど縦挽きを行う予定がある方
・1本で縦挽きも横挽きもこなしたい方
注意点
縦挽きの作業も行う予定がある場合は、ゼットソーⅢ265のような縦横兼用モデルを選ぶとよいでしょう。
3. 精密な仕上がりを求めるなら:ゼットソー8寸目
ゼットソー8寸目特徴
精密横挽き専用モデルです。刃渡り250mm、ピッチ1.40mm、板厚0.50mm、切り幅0.66mmと、ゼットソー265よりもピッチが細かく板厚が薄く設計されています。そのため、より滑らかな切断面を得られます。
メリット
・非常に滑らかな切断面が得られる
・和室の造作や見える部分の加工に最適
・細かい作業や精度が求められる場面で真価を発揮する
デメリット
・目が細かい分、切断に時間がかかる
・太い材木の切断には不向き
・一般的なDIY用途ではオーバースペックになりがち
向いている人
・家具製作や建具製作など、仕上がりの美しさを重視する方
・切断面が最終的に見える部分の加工を行う方
・精密な作業を得意にしたい方
向いていない人
・スピードや効率を優先する方
・太い角材を多く切断する方
・DIY初心者でまずは1本揃えたい方
注意点
精密作業用に設計されているため、荒い切断には向きません。切断前に適切な用途かどうかをご確認ください。
その他の用途別モデル
上記の3モデル以外にも、ゼットソーシリーズにはさまざまな用途向けのモデルがあります。
ゼットソー仮枠333
太い角材や仮枠工事向けのモデルです。シリーズ最長の刃渡り333mmを誇り、建築現場での太物切断に適しています。
ミニパネルソー導突目150
超精密加工向けの小型モデルです。ピッチが1.00mmと非常に細かく、プラモデルや細かい木材加工に使われます。
これらのモデルは、上記3モデルで対応しきれない特殊な用途を検討する際の選択肢として覚えておくとよいでしょう。
ノコギリを選ぶときのチェックポイント
ここで、もう一度ノコギリ選びのポイントを整理します。
① どんなものを切るのか
切る素材や太さによって必要な刃渡りやピッチが変わります。一般的な木材なら265mm程度、太い角材なら300mm以上を目安にしましょう。
② どんな切り方をするのか
横挽きがメインか、縦挽きも行うのかで選ぶモデルが変わります。両方行うなら縦横兼用タイプを選びましょう。
③ どこで使うのか
自宅の作業場だけで使うなら持ち運びはあまり気にしなくて大丈夫ですが、現場に持ち込むことが多いなら折りたたみ式や軽量モデルも検討しましょう。
④ 替え刃は手に入りやすいか
切れ味が落ちたときに替え刃を交換することを考えると、入手しやすいシリーズを選ぶのがおすすめです。ゼットソーシリーズは多くのホームセンターやECサイトで替え刃が販売されています。
よくある疑問
Q. ノコギリの切れ味が悪くなったらどうすればいいですか?
A. 替え刃式のノコギリなら、新しい刃に交換するのが最も簡単です。従来の「目立て」は技術が必要なため、初心者には交換をおすすめします。ゼットソーシリーズは替え刃が各種販売されているので、切れ味が落ちたら交換しましょう。
Q. 最初の1本は何を選べばいいですか?
A. 横挽き・縦挽き・斜め挽きすべてに対応する万能タイプがおすすめです。この記事で紹介したゼットソーⅢ265は、そのような用途にぴったりの1本です。まずはこのモデルを試してみて、足りない機能があれば専門モデルを追加で購入するのが効率的です。
Q. 価格帯の目安はありますか?
A. 一般的なDIY向けのノコギリは2,000円〜5,000円程度が相場です。高価なモデルほど切れ味や耐久性が優れていることが多いですが、初心者はまず手頃な価格帯の定番モデルから始めるのが無難です。
まとめ
ノコギリ選びで最も大切なのは、自分の用途に合ったモデルを選ぶことです。
横挽きがメインならゼットソー265が定番ですし、縦挽きも行うならゼットソーⅢ265のような縦横兼用モデルがおすすめです。精密な仕上がりを求めるならゼットソー8寸目を検討してみてください。
どのモデルもゼットソーシリーズという定番ラインアップなので、替え刃の入手も安心です。まずは自分の作業スタイルを振り返り、最適な1本を選んでみてください。使い勝手がわかってきたら、用途に応じてモデルを増やしていくのもよいでしょう。
ノコギリ選びに迷ったときは、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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