「自分だけの味って、なんだろう?」
そう思ったことはありませんか?
毎朝飲むコーヒー。いつものカフェの味。どれも美味しいけれど、「もっとこうだったらいいのに」という小さなわがままが、心のどこかにあったりします。
その答えを、自分の手で生み出せる場所が青森県弘前市にありました。その名もDIY焙煎カフェかんの。名前の通り、自分で焙煎して、自分で味わう。そんな贅沢な時間を過ごせるお店です。
「焙煎なんて、したことないよ」
大丈夫。私もそうでした。でも、このお店での体験は、そんな不安を一瞬で吹き飛ばしてくれるものでした。今日はその一部始終を、余すところなくお伝えします。
弘前の隠れ家「DIY焙煎カフェかんの」ってどんなところ?
弘前市の和泉というエリアに、そのお店はあります。大きな看板があるわけでも、派手な外観でもない。白い壁に、コーヒー豆のイラストが描かれた小さな看板が目印です。
駐車場は8台分。大型車も停められるので、キャンピングカーでの旅の途中に立ち寄る人もいるんだとか。店内は木の温もりを感じる空間で、焙煎機がずらりと並ぶ景色は圧巻。香ばしい香りが、入った瞬間からあなたを包み込みます。
「いらっしゃいませ!焙煎されますか?それとも、今日は飲むだけにしますか?」
オーナーの気さくな声かけに、初めての緊張もすっと和らぎます。
焙煎ビギナーでも安心!スタッフがマンツーマンで教えてくれる
「焙煎って、なんか火を使うんでしょ?怖くない?」
そう思う人のために、お店ではまずスタッフがお手本を見せてくれます。使うのは直火式の焙煎機。家庭ではなかなか体験できない、本格的な道具です。
炎のゆらめきを見つめながら、網を一定のリズムで振る。パチパチと豆がはぜる音。少しずつ色が変わっていく姿。その一部始終を、すぐ隣で実演してくれるので、「あ、こうやればいいんだ」と自然にイメージが湧きます。
所要時間は全部で約1時間から1時間半。最初のレクチャーを含めても、あっという間に感じる濃密な時間です。
世界にひとつだけの味をデザインしよう:生豆選びと焙煎度合い
さあ、いよいよあなたの番です。まずは生豆選びから。店内には常時5〜8種類の生豆が並んでいます。
ブラジル、コロンビア、エチオピア、グアテマラ、インドネシア…産地が変われば、当然ながら味の個性もまったく異なります。
「酸味が好きならエチオピア、苦味とコクが欲しいならインドネシアがいいですよ」
スタッフがあなたの好みを聞きながら、ぴったりの豆を提案してくれます。選ぶ楽しさだけでも、かなりワクワクしますよ。
次に決めるのは焙煎度合い。浅煎り、中煎り、深煎り。専門用語ではシナモンローストやフルシティローストなんて呼ばれたりしますが、難しく考える必要はありません。
「浅煎りだと酸味が立ってフルーティーに、深く煎ると苦味と甘味がぐっと出ます。どっちの気分ですか?」
この問いかけに、自分の感覚だけで答えていい。それがDIY焙煎の一番の醍醐味です。
五感が覚醒する15分間:直火焙煎の臨場感
豆を決めたら、いざ焙煎へ。
手に持った網をガスの炎の上で、くるくると回します。最初は緑がかっていた豆が、少しずつ黄色みを帯び、やがてきつね色に。ここまでは比較的ゆっくりした変化ですが、ある瞬間から景色が一変します。
パチッ…パチパチパチッ!
これが「1ハゼ」。豆の中の水分が蒸発し、膨張する音です。この音が聞こえ始めると、焙煎はいよいよクライマックス。煙と香ばしい匂いが立ち込め、集中力が一気に高まります。
火の強さ、網を回す速度、豆の色。全ての感覚を総動員するこの時間が、DIY焙煎カフェかんのでしか味わえない特別な体験です。
「もう少し濃くしたいですか?それともここで止めますか?」
隣で見守るスタッフが、絶妙なタイミングで声をかけてくれます。初心者は、つい深煎りにしすぎてしまうこともあるんだとか。そうした失敗を防げるのも、プロのサポートがあるからこそ。
焼きたてをすぐに味わう!格別の試飲タイム
焙煎が終わったら、粗熱を取って冷却。そして、焙煎したばかりの豆の一部をその場で挽いて、ハンドドリップで淹れてくれます。
この試飲タイムが、また感動的で。
焙煎からわずか数十分後の「できたて」のコーヒー。香りはまだ若々しく、味わいは生き生きとしていて、まるで出来立てのパンをほおばるような幸福感があります。
「市販のコーヒーって、焙煎から時間が経ってるんだな…」
そんな当たり前のことに、今さらながら気づかされます。飲みながらスタッフが、今回の焙煎のポイントや、豆の保存方法についても教えてくれました。
「焙煎した豆は2〜3日後からが飲み頃のピーク。密閉容器に入れて冷暗所で保存してくださいね。約2週間で風味が落ちるので、それまでに飲み切るのがおすすめです」
豆に残った炭酸ガスが落ち着き、味がまろやかにまとまっていく。そんな「エイジング」の話も、コーヒー好きにはたまらない知識です。
料金は良心価格!コスパも大満足の理由
気になる料金は次のとおりです。
- 体験料:1人500円
- 生豆代:100gあたり450円〜600円
- コーヒーのみの注文:1杯500円前後
たとえば、200gの生豆(約1,000円)を選んだ場合、体験料と合わせて1,500円ほど。焙煎すると豆の水分が抜けて量は約8割になりますが、それでも160gのスペシャルティな自家焙煎豆が手に入ります。
市販のスペシャルティコーヒーが100gで800〜1,200円程度であることを考えると、この価格でプロの指導まで受けられるのは、かなり良心的。支払いは現金のみなので、お札を忘れずにお財布に入れておいてくださいね。
弘前観光の合間に。デートや女子会にもぴったり
「でも、1時間もかかるんでしょ?観光の予定があるんだけど…」
大丈夫です。実はこのお店、弘前公園から車で10分ほどの場所。りんご公園や禅林街といった観光スポットにも近く、旅程の合間にすっぽり収まる絶妙なロケーションなんです。
そして何より、この体験は誰かと一緒にやると、より楽しい。デートなら共同作業で距離が縮まりますし、友人同士なら「私は浅煎り派」「俺は深煎り」と、好みの違いをわいわい話すだけでも盛り上がります。
実際、口コミでも「友人と行って大正解」「デートで利用しましたが会話が尽きませんでした」といった声が多く見られました。
持ち帰った豆で広がる、自宅コーヒーの世界
焙煎体験の余韻は、家に帰ってからも続きます。
「あの時、もう少し浅く煎っていたら、味はどうなったんだろう?」
そんな疑問が湧いたら、次回のお楽しみ。好みの焙煎度合いを探求するもよし、まったく違う産地の豆に挑戦するもよし。DIY焙煎カフェかんのには、コーヒーの世界を深く知るための扉が、いつでも開かれているのです。
週末の予定がまだ決まっていないなら、青森・弘前への小さな旅を計画してみませんか?あなただけの「最高の一杯」が、きっと見つかります。
その日の気分で、その日の一杯を。自分でつくるからこそ、愛おしくなる。焙煎したての香りに包まれる休日を、ぜひ味わってみてくださいね。

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