先日発表されたマキタの決算、チェックされましたか?
「あれ、なんか数字下がってない?」
そう感じた方も多いと思います。実は2026年3月期第3四半期の営業利益、前年同期比で7.4%減ってるんですよね。北米の高金利で住宅投資が冷え込んで、売上も横ばい。
でもちょっと待ってください。数字だけ見て「マキタ終わった」と判断するのは早計です。なぜなら今回のマキタ決算、よくよく中身を見ていくと「おや?」と思うポイントがいくつも隠れているからです。
今日は投資家目線で、この決算のリアルな読み解き方を話していきましょう。
なぜ減益でも悲観しなくていいのか
まず気になる「営業利益7.4%減」の中身です。
減った理由、実はシンプルで「北米市場の落ち込み」です。アメリカの住宅着工が減っているので、プロ向け電動工具の需要も当然減る。これはマキタだけの問題じゃなく、業界全体の逆風です。
ただここで注目したいのは、マキタがちゃんと手を打っているという点。
具体的には「量より質」への戦略転換です。安いモデルをたくさん売るのではなく、単価の高い高付加価値製品にシフトして利益率を守っているんですよね。
実際、売上総利益率は改善傾向にあります。台数を追わずに済んでいるのは、プロ向けブランドとしての強さがあるからこそ。値引き競争に巻き込まれないのは、結構な強みだと思います。
次の柱「40Vmax」が面白いことになっている
マキタの成長を語る上で外せないのがバッテリです。
特に高出力の40Vmaxシリーズ、これが今かなり攻めています。従来の18Vではカバーしきれなかった重量級の作業、たとえばコンクリートをならす「充電式スクリード」とか、エンジン式並みのパワーを持つ「充電式背負ブロア」なんかが2026年に登場しています。
これって地味にすごい話で、今までエンジン式を使っていた現場が電動に切り替わるきっかけになるんですよ。排ガスも騒音もないから、住宅街の工事とか室内作業での需要が伸びてます。
しかもマキタのバッテリって互換性があるから、いったん買い始めると他の工具もマキタで揃えたくなる。この囲い込みモデルは他社がなかなか真似できない強みです。
見逃せない「園芸機器」という新境地
もうひとつ要チェックなのが園芸機器です。
これ、マキタが「事業の第二の柱」と位置づけて注力している分野なんですけど、実は欧州を中心に電動化の波が来てるんですよね。ガソリン式の芝刈り機やチェーンソーが規制される流れもあって、バッテリ駆動の需要が伸びています。
さらに日本の農業・造園業界でも人手不足が深刻なので、少しでも作業効率を上げられる電動工具への切り替えは加速しそうです。
現在はまだ投資フェーズですが、ここが軌道に乗ると収益構造がかなり安定します。なぜなら工具と違って園芸機器は買い替えサイクルが短め。バッテリや替刃などの消耗品も含めて、継続的な収益が見込めるんです。
それでも気をつけたいリスク
もちろんポジティブな面だけじゃないです。
北米の高金利がいつまで続くかは不透明だし、営業利益30%減という通期予想の保守性も気になるところ。本当にそれで底なのか、もう一段下があるのか。
あと為替の影響も侮れません。マキタは売上の8割以上が海外なので、円高に振れるとあっさり利益が吹き飛びます。2025年3月期は年間配当110円だったのに、2026年3月期は現時点で未定というのも、慎重姿勢の表れでしょう。
ただ配当方針そのものは「年間20円を下限、総還元性向35%以上」と明確なので、財務の健全性は評価していいと思います。
マキタ決算から見えるこれからのシナリオ
結局のところ、今のマキタって「守りながら攻めてる」状態なんですよね。
短期的には北米の減速で数字が落ちるけど、その間に40Vmaxシリーズと園芸機器という次のエンジンを育てている。そして高付加価値路線で利益率を守りながら、配当もちゃんと出す。
これって長期投資の対象として考えたとき、結構悪くないと思うんですよ。
目先の減益に反応して売るのは簡単です。でもそれで手放した後、欧州市場が底打ちして園芸機器が花開いたときに「あのとき持っておけば…」と後悔するかもしれません。
マキタの決算は数字以上に、経営の意思と次の一手を読み取れるかどうか。そこに面白さがあると思います。

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